鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

無条件に「楽しめた」とは言い難い作品ではあります:映画評「十三人の刺客」

工藤監督のオリジナルも「いつか観なきゃなぁ」とは思ってたんですがね。
まずは評判となったリメイクの方を。
最近、TSUTAYAにはお世話になっていますw。




「十三人の刺客」



まず「見応え」があるのは確かです。
話題となっていた「稲垣吾郎」の「極悪殿様」ぶりは、確かに評判になるだけのものはありますね。これは歴史に残る「悪役」と言ってもいいかもしれません。(それをアイドルが演じたという意味でも)
ラスト50分の乱闘。
売りになってたコレも、言うだけのことはあります。
二時間半近い映画ですが、退屈せずに観ることが出来ました。



ただ「無条件で誰にでもオススメ」ってわけには行かないですねぇ。
少なくとも妻には奨めません。
子供達にも(PG12ですが)見せようとは思わないです。
自分で映画をチョイスするようになって、色々な映画を観る中で出会えば仕方ないけどね・・・って感じかなぁ。
我ながら「保守的」とは思いますが、偽らざる感想です。



問題は「残酷描写」なんですよ。
序盤にある、「殿様」の「悪業」の表現がどうにも・・・。
勿論、アレがあるからこそ、「殿様」に対する嫌悪を観客も共有でき、「暗殺」という手段を肯定する気持ちになれるって仕組みなのは十分に分かるんですけどね。
それでもあれは・・・。
映画における「表現」は相当なことが出来るし、そのことを制限したり自主規制したりすることに対しては僕は反対です。
本作についても「やるべきではない」とは言いません。
言いませんが、ちょっと・・・ってところに自分の「保守性」を見いだして、軽く自己嫌悪してたりする訳ですw。



エンターテインメントとしてはラストもちょっと「?」かもしれません。
「観る者に考えさせる」
ってトコロなのかもしれませんが、それにしても中途半端でしょう。
あそこはもう少し処理の仕方を変えた方が良かったと思います。
あんまり上手い「モヤモヤ」の残し方じゃないんじゃないですかね。



という訳で、「オススメ」はしませんが、力のある映画であることは確かです。
ある程度情報が入っていて、「観てみようかな?」と思ってる方は、自己責任でどうぞw。