予告編とか事前情報だと、
「ローマの休日」+「カイロの紫のバラ」
…ってとこかなぁ、と思ってたんですが。
一部はアタリ。(序盤の映画内映画は「ローマの休日」のコピーだし)
ただそんな安易な考えで作られた作品ではなかったです。
…なかったんですが、僕はピンとこなかったなぁ。
「今夜、ロマンス劇場で」
量産される中で忘れ去られる映画作品たち
日本映画黄金時代を支え、時代と共に去って行った人々
…そういう泡沫の想いへの無償の愛
…やりたいことは分からなくもない。
でもそれが十分に物語の中に消化されなくって、結局「作り物」っぽさが抜けきれなくなっている感じとでも申しましょうか。
いやまあ、「作り物」なんですけどねw。
(そういう意味では長い「エピローグ」をもっと丁寧にやって欲しかったかな。もっと「時代の流れ」を感じさせて欲しかったです)
昔「カイロの紫のバラ」を観た時、
「よく出来てるし、ラストの着地点も見事だけど、ちょっと切なすぎる」
と思ったことを思い出しました。
でも、やっぱりアレはアレしかないんですな。
改めてお見事な映画やな、と。
本作は加藤剛さんの遺作のようです。
そして加藤剛さんは、やっぱり加藤剛さん。
最後もキッチリ「二」の線です。
コレはコレで、お見事。