鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「加藤剛」の遺作です:映画評「今夜、ロマンス劇場で」

予告編とか事前情報だと、

 

「ローマの休日」+「カイロの紫のバラ」

 

…ってとこかなぁ、と思ってたんですが。

 

一部はアタリ。(序盤の映画内映画は「ローマの休日」のコピーだし)

ただそんな安易な考えで作られた作品ではなかったです。

…なかったんですが、僕はピンとこなかったなぁ。

 

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「今夜、ロマンス劇場で」

 

量産される中で忘れ去られる映画作品たち

日本映画黄金時代を支え、時代と共に去って行った人々

…そういう泡沫の想いへの無償の愛

 

…やりたいことは分からなくもない。

でもそれが十分に物語の中に消化されなくって、結局「作り物」っぽさが抜けきれなくなっている感じとでも申しましょうか。

いやまあ、「作り物」なんですけどねw。

(そういう意味では長い「エピローグ」をもっと丁寧にやって欲しかったかな。もっと「時代の流れ」を感じさせて欲しかったです)

 

昔「カイロの紫のバラ」を観た時、

「よく出来てるし、ラストの着地点も見事だけど、ちょっと切なすぎる」

と思ったことを思い出しました。

でも、やっぱりアレはアレしかないんですな。

改めてお見事な映画やな、と。

 

本作は加藤剛さんの遺作のようです。

そして加藤剛さんは、やっぱり加藤剛さん。

最後もキッチリ「二」の線です。

コレはコレで、お見事。