鈴麻呂日記

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近未来感とオリジナル・ホームズのゴシック感がミクスチュアした感じ?:読書録「シャーリー・ホームズとバスカヴィル家の狗」

・シャーリー・ホームズとバスカヴィル家の狗
著者:高殿円
出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)

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ホームズとワトソンのコンビを女性に置き換えたホームズ・パスティーシュ第2弾。
時代は2010年代前半と、「現代」に置き換えてるんですが、シャーリー・ホームズがちょっとサイボーグっぽかったり、ミセス・ハドソンが電脳家政婦だったり…と、微妙な「近未来感」があります。
パラレルワールドと思った方がいいんですかね。
ただこの「近未来感」が僕はすごく好きです。
一方で題材となる「事件」の方は、原典にも通じるゴシック風の味付けがあって、ここら辺のミスマッチ感が楽しみどころにもなっています。

 

 

ジョー・ワトソンの叔母キャロルがバスカヴィル家の当主と結婚することになり、ジョーはデヴォン州の屋敷に招待される。
そこで、脱獄した殺人鬼や魔犬の伝説、脅迫状などの怪事件に巻き込まれるジョーと叔母夫婦。
シャーリーは半電脳と人工心臓のためにロンドンを離れられないので、ジョーを遠隔でサポートする。

 

 

シャーリーとジョーのバディ関係は、やや百合っぽい雰囲気があるかな?
ここは二次創作っぽい味付け。
ホームズの姉マイキーは英国政府交換でかなりの陰謀家(ただし強度のシスコン)、モリアーティ女史はシャーリーの人工心臓の製作者でもあり、因縁はひとまわり深く…とミセス・ハドソン(&ミスター・ハドソン)以外のキャラも深掘りされています。
加えて原典では比較的人畜無害系のワトソンの方も、どうやら家庭環境にも経歴にも一癖二癖ありそうで…
と言うところで、以下次巻。
続編は来年1月発売のようです。

 

 

さて、今までのように文庫化を待つかな〜。
でもちょっと次が気にもなってきています。
う〜ん。
ま、来年考えりゃいいかw。

 

#読書感想文

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