鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ほんの少し先のリスク:読書録「ハロー・ワールド」

・ハロー・ワールド

著者:藤井太洋

出版:講談社(Kindle版)

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作品の舞台は2019年から2020年。

エンジニアを主人公にした連作短編集、ですね。

主人公には作者自身が投影もされてるのかな?w


前半は特段劇的なドラマが展開するわけでもない。

でもほんの少し未来にあり得る「リスク」が提示され、登場人物たちの人生が少し動いていきます。

(後半はややヒロイックな展開。でも別に世界を救う…とか言うんじゃありません)


スマホの遠隔操作による盗撮・盗聴

GPSの障害

ドローンのライブ放映を使った暗殺(未遂)

インターネットの自由を巡る、政府機関との軋轢

投機に翻弄されるビッドコイン(仮想通貨)


正直、仮想通貨絡みのところは、サッパリ理屈に追いつけませんでしたがw。


主人公の行き着く先はグローバルな「自由人」。それでいて「国家」や「政府」を否定する訳じゃなく、一定の評価はする辺りのバランス感覚がイイです。

その落とし所は「好み」なんですが、終盤のちょっとヒロイックな展開は良かったような、悪かったようなw。

それまでの「ちょっとしたドラマ」ノリが好きだったんですよ。

そのノリで、もう2、3作楽しませて欲しかったな~。

まあ、トータルではかなり楽しんだんで、贅沢言っちゃイカンけど。


ちなみに本作も半分くらいは「読み上げ機能」を使いました。

専門用語も多いんで、理解が追いつかないとこは、読み上げじゃキツくて、画面を追ってました。

あと、

iPhone→アイ・ピー・エッチ・オー・エヌ・イー

Mac→エム・エー・シー

には笑っちゃいます(しかも発音がむちゃくちゃイイし)。

それをすぐに脳内変換しちゃう人間の「慣れ」も大したもんですw。


でもエンジニアの眼から見たら、中国の進展と日本の停滞は明らかなんですね。

なんかそこら辺、突破出来ないかな~。

(クールジャパンとか、ちょっと冗談ぽくなって来てるモン)