・元彼の遺言状
著者:新川帆立
出版:宝島社文庫
お金に執着し、人情より合理性を優先する弁護士・剣持麗子。
元彼が「全財産を自分を殺した犯人に譲る」という遺言を残して死んだことを知らされ、その遺産(の一部)を手にするために、「自称犯人」の代理人となるが…
というミステリー。
とにかく「大金を手にする」ということに執着し、策を練る主人公のキャラが新鮮…ではあるんですが、最初の頃はいけすかなくて、チョッチ苛つきましたw。
もっとも読んでいるうちに、人間性はともかく「一本筋は通ってる」徹底ぶりに、「まあ、こいつならしゃあないか」って気分になっちゃうんですけどね。
ちょっとここら辺「竜崎達也」(隠蔽捜査)っぽいかも(違うかw)。
終盤になって我が身を振り返って落ち込むシーンがあるんですが、
「いやいや、それは違うやろ」
ってツッコミたくなったくらいです。
読み終えてみたら、それなりに読後感の良い着地点。
主人公の家族も含め、周りの登場人物もなんとなく「いい人」寄りのポジションに…。
う〜ん、それもいいんだけど、なんか個人的には「いけすかない」キャラを徹底してもらった方が良かったような気もしますw。
その癖、ブツブツ言いながら善行を積んでしまうような。
ま、ちょっと難しいか。
シリーズは続編が出版されています。
読んでもいいけど、「文庫」待ちかな?
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