ちょっと評判になってるドキュメンタリー映画。
図書館がらみのボランティアなんかもしてる妻が観るといったので、ついて行きましたw。
シネ・リーブル梅田。
スカイビルに入るのは、考えてみれば初めてでした。
ニューヨーク公立図書館 エクス・リブリス
上映時間3時間25分。途中に10分休憩が入ります。
でも僕は全然退屈しなかったなぁ。
すごく興味深く観ることができました。
まずは「ニューヨーク公立図書館」の佇まいが素晴らしい。
大学の卒業旅行の時に前で写真なんかも撮ってますが、なかの雰囲気がいちいち…。
それを眺めてるだけでも感心します。
一方、それを運営する側。
こちらの方は「現代的課題」や「組織運営の困難」に取り組んでいる姿が描かれています。
全てがうまく言ってるとは思わないけど、彼らの基本にあるのは「目的は何か」と言う意識。
「図書館=本の倉庫」
ではなく、
「図書館=地域コミュニティーのハブ、歴史の担い手、文化の醸成者、多様性の象徴、生涯学習の場」etc,etc
と自身の存在意義を問いつつ、その「目的」のために<どうあるべきか><何をすべきか>を考え、行動しています。
「人が出会う場」というのが共通する認識なんですが、それを自ら証明するように、多様な人々が、<目的>のために行動をしています。
こういう時、<理想>や<理念>を掲げるのはいいんですが、得てして<お金>がついてこない。
でもスタッフたちはその点を直視し、民間からの運営費調達(寄付がメイン)のために企画をたて、運営し、行政(市)からの予算確保のために市や市長の方針を把握し、行政とのコミュニケーションをシッカリと取っていこうとします。(ニューヨーク公立図書館の予算は官民半々くらいです)
この姿勢が素晴らしい。
自分たちがアクションし、「予算」を確保しなければ<理想>や<理念>は実現しないし、そうなるとこぼれ落ちていってしまう人々が生まれてしまう。そのためには泥臭い仕事もシッカリとする。
本作が僕に強く訴えたのはココでしたね。もちろん僕自身への批判という意味でも。
プロフェッショナルとしての司書たちの活動
コミュニティーを支えるための様々な活動
寄付金を集めるための多彩なアクション
文化・歴史を担うものとして確固たる決意etc
組織運営という面だけでなく、様々な側面から「ニューヨーク公立図書館」の姿が捉えられます。
3時間半。
上映時間としては長いけど、それだけじゃ足りないくらい…。
そうそう、デジタル化やITスキル、インターネット環境等にもニューヨーク公立図書館は強い関心を持っていて、「あらゆる場所から情報に接続できる」ようにデジタル化を進める一方で、「コミュニティーの中で取り残されるデジタル難民を出さない」ようなサポートについても優先順位高く取り組んでいます。
「図書館」というとなんだか「アナログ」な印象があったんですが、全然違うんですよね、彼らの意識としては。(図書館内にはWi-Fiが飛んでて、来館者の多くはPCやスマホ・タブレットを使っています。「本を読む場所」として図書館を規定してないからでしょうね)
ここら辺、「ああ、かなわないなぁ」と正直、思いました。
図書館関係者はもちろんですが、組織運営者、教育関係者等、多くの人に見てほしいなと思います。
上映時間は覚悟いただく必要はありますけどw。