新大阪から品川への列車(新幹線)の中で視聴。
いや、別に狙った訳じゃないですよw。
「オリエント急行殺人事件」
まあ、この作品については「ネタバレ」はOKでしょう。僕のブログを見る人は、まあ知ってるのが「常識」くらいのネタですから。
原作が34年、下敷きとなったリンドバーグ誘拐事件が32年ですから、原作が発表された時には「復讐」という動機にもリアリティがあったんだと思うんですよ。
それが現代になると(色々雑多な情報も入りますし)、その緊張感が薄れざるを得ない。
そうなると、この大掛かりなトリックも、大味な印象にならざるを得ないトコもあると思います。
コレは本作でもそうだし、ルメットの映画でもそうですね。
「ポアロ」と言えば、ちょっとユーモラスなキャラなのが今までのパターン。
でもケネス・ブラナーの「ポアロ」はかなりカッコイイ。ここまでポアロをシリアスに演じるってのは、それはそれでスゴいと思います。
で、そのマジなポアロが下した裁き、と言うか、決断、と言うか…。
<ここにいるのは心を癒されるべき人たちだ>
そう言って、彼らの「心の平安」をポアロは祈ります。
…しかしそれで彼らは「心の平安」を取り戻せたでしょうか?
あれだけの残虐な殺し方を<自らの手で>執り行って。
ブラナーのシリアス「ポアロ」はその難しさを暗示するようにも思えます。
そこには新たな煉獄があるのではないか…と。
これだけ「ネタが割れてる」話を、ここまで観せるのは大したものです。
最近のテンポ抜群の大作映画に比べると、ゆったり感は否めませんがw、全然退屈しませんでした。
ま、次の「ナイル」を公開で観るかどうかは、なんとも言えませんがねw。