・プレイバック
著者:レイモンド・チャンドラー 訳:村上春樹
出版:早川書房

- 作者: レイモンドチャンドラー,Raymond Chandler,村上春樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/12/08
- メディア: 単行本
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村上春樹訳によるマーロウ・シリーズ。
発売されてすぐに購入したんですが(2016.12.8出版)、なんだかんだ読まずにいるうちに、次の「湖中の女」(村上版では「水底の女」)が発売に…。
慌てて読みました。(別に慌てなくてもいいんだけどさw)
あとがきで村上春樹氏も色々書いてますが、まあ「プレイバック」と言えば、あのセリフ。
If I wasn’t hard.I wouldn’t be alive. If Icouldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.
もっとも有名な訳はコレ。
<タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない。>(生島治郎の訳を下敷きにしたもの)
清水俊二訳はこうですね。
<しっかりしていなかったら、いきてはいられない。やさしくなれなかったら、いきている資格がない。>
矢作俊彦訳は「マンマ」な感じです。
<ハードでなければ生きてはいけない。ジェントルでなければ生きて行く気になれない。>
「では、村上春樹は」
…となると、ネタばれみたいですが、まあ1年も経ってるからいいでしょうw。
<厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない。>
…ふむ。
<言い訳をするのではないが、僕は「決め台詞」というのがいささか苦手だ。>というのが本人の弁ですが、まあそんな感じかなw。
これを<英文和訳的にごくストレートに翻訳>したのもあとがきにはあって、これは、
<冷徹な心なくしては生きてこられなかったろう。(しかし時に応じて)優しくなれないようなら、生きるには値しない。>
人生訓としてはこれが一番のような気もしますw。
作品としては、結構マーロウが軟派でw、そこら辺は好き嫌いあるでしょうね。(僕は割と好きですw)
リンダ・ローリングの唐突な「再登場」には面喰らいましたが、何度も読んでるんで、それももう慣れました。
個人的にはマーロウのこの「運命の女」の良さはピンと来ないんですがねぇ。
さて村上訳でのマーロウ長編シリーズも、次(「水底の女」)でラスト。すでに手元にあります。
…読むのは1年後?w