鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「高い窓」

・高い窓
著者:レイモンド・チャンドラー 訳:村上春樹
出版:早川書房

高い窓

高い窓


発行は「2014年12月」。
半年寝かしちゃいましたか。最近、「リアル本」はこうなりがちなんですよねぇ。電子書籍に偏りがちなもんで。
そういや、矢作俊彦も...。
まあ全部が電子書籍化されることは期待できなようですから、「リアル本」のほうも意識して読むようにしませんといけませんな。


村上春樹のチャンドラー訳は5作目。
残りは「プレイバック」と「湖中の女」。
全部訳すことに決めたようです。楽しみ楽しみ。


チャンドラーの長編は全部読んでるんですが、「大いなる眠り」「さらば愛しき人よ」「長いお別れ」「プレイバック」は定期的に読み返してるのに比べて、「かわいい女」「湖中の女」そしてこの「高い窓」は多分1回読んだだけ。
あ、「高い窓」は小実昌訳も読んでるんで「2回」かなw。


ま、ともかもくも読み返すのは随分と久しぶり...。
で読み返して、
「あれ、こんなにシッカリした話だっけ?」
あとがきで村上春樹も言ってますがね。
もっともチャンドラーにソコはあんまり求めてないっちゃあ、求めてないんですが。
(これも村上春樹が言ってる通り)


<ここにはアクションもなければ、好感の持てるような人物も登場しませんし、とにかく何もありません。>


ってのがチャンドラー自身の本作評ですが、まあそうかもねw。
少なくとも「好感が持てるような人物も登場しない」ってのはその通り。「さらば愛しき人」や「長いお別れ」との差はそこら辺ですかね。
本書のほうが物語としてはシッカリしている。
でも作品としては本作方が一段下がる。
そこらあたりが「チャンドラー」ですな。


次は「プレイバック」とのこと。
結構好きなんですよね、アレ。
いつごろになるのか分からないけど、期待しております。