・オプションB 逆境、レジリエンス、そして喜び
著者:シェリル・サンドバーグ 訳:櫻井祐子
出版:日本経済新聞出版社

OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び
- 作者: シェリル・サンドバーグ,アダム・グラント,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/07/20
- メディア: 単行本
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「リーン・イン」のシェリル・サンドバーグの新作。
ちょうど「女性の活躍推進」について何か整理しようと思ってたんで、購入。「リーン・イン」はそういう観点で参考になる本でしたからね。
でもそういう意味じゃ「期待ハズレ」かなぁ。
パートナーを亡くしたことは知ってましたが、ガンとかの闘病の末じゃなくて、突然の疾患(心筋梗塞)だったようです。本書はその経験を踏まえて、突然の不幸や逆境・苦境から、「どうやって立ち直り、前進するか」について書かれた本でした。
まあ「ビジネス」や「働く女性」に関係なくはないけど、よりパーソナルな色彩が強い作品となっています。
考えてみれば、「リーン・イン」もそういう本ではあったんですよね。
「女性が社会的に地位を向上させるために、一歩踏み出す」
と言う内容だったんですが、そのベースはシェリル自身の「経験」でした(もともとTEDスピーチがキッカケだし)。
「自分のことを語りながら、周りの人を巻き込み、ムーブメントを作る」
と言うのがシェリルのスタイルであり、それはFacebookの「存在意義」とも重なる。
改めてそんな事を感じさせた作品でもありました。
(何とも贅沢な「自己開示」ですが)
作品の中身も興味深いものでしたよ。
自身の悲劇だけでなく、広いネットワークを介した色々な事例、共同著者のサポートによる色々な実験や研究・論文をベースにした最新の紹介等。
「苦境や悲劇から立ち直るための術」「それを成長につなげるための考え方」について考える機会を与えてくれます。
「回復力(レジリエンス)」ってのはビジネスでも注目されている考え方ですが、「生きて行く」上に置いて、身につけておくことが望ましい「力」であることは確かでしょう
<3つのP>
自責化:Personalization自分が悪いのだと思うこと
普遍化:Pervasivenessあるできごとが人生のすべての側面に影響することと思うこと
永続化:Permanenceあるできごとの余波がいつまでも続くと思うこと
これらのことが如何に「立ち直り」を妨げるか、その回避のためにはどう言うスタンスで望むべきなのか。
これは「ビジネス」以上に、プライベートに置いてこそ留意すべきことであると思います。
(だから「レジリエントな子どもを育てる」という章なんか、じっくり読んじゃいました)
まだまだシェリル・サンドバーグ自身が回復のon the way。
だからこれからどうなるかは分かりません。
でも次に何かあったら、また彼女は「報告」してくれるでしょう。
それを「嫌らしい」と思う向きがあることは承知していますが、僕は結構ポジティブに捉えてるんですけどね。