鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

PDCAを具体的に回すことを、どう伝えるか:読書録「『生産性』をあげる技術」「シンプルに結果を出す人の5W1H思考」

・「生産性」をあげる技術
著者:石田淳
出版:宝島社

「生産性」をあげる技術

「生産性」をあげる技術


・シンプルに結果を出す人の5W1H思考
著者:渡邉光太郎
出版:すばる舎

シンプルに結果を出す人の 5W1H思考

シンプルに結果を出す人の 5W1H思考


今、求められているのは「PDCA」を早く回して、「P」の精度を上げつつ、「成果」が上がるため業務プロセスと営業プロセスをレベルアップさせて行くこと。


…と思ってるんですが、それを「具体的にどうすればいいのか」、その内容を「伝える」ためには、どういうフレームワークを相手と共有すればいいのか。
そこらへんに思い悩んでるところがあって、「伝える言葉」を探して、ここのところ読んでる本の一環。


「『生産性』をあげる技術」は、「行動科学マネジメント」を推奨する作者の最新刊。
「行動科学」については、基本的には「そうだよな」と思ってるんですが(一言で言えば「行動を管理する」)、具体的にやろうと思うと、結構面倒に思えてしまうのも事実。
「マニュアル」や「チェックリスト」の重要性は言わずもがなですが、それを「作る」のが一番面倒に思えるんですよね。(やれば楽になるとは思いつつ)


本書は「マンガ」なんかも入ってて、今現在での「行動科学マネジメント」の入門書としては相応しいと思います。
「標準化」「評価(行動の強化)」「仕組み作り」
という「行動科学マネジメント」の基本を抑えつつ、微妙にハードルも低くなっています。
「標準化」については、「目標」の共有から、締切の設定、そのためのスケジュール管理…ってあたりを入り口にしてるところが個人的にはフィット。
もちろん、事務作業なんかはマニュアル・チェックリストの方がフィットするのかもしれませんが、営業活動や営業推進なんかはコッチの方が入りやすいです(営業行動の標準化…って結構大変ですからね
「評価」については「コミュニケーション」の重要性。特にショート。コミュニケーションを重視しているあたり、「1 on 1」で考えたことなんかとも符合して、イメージが湧きました。ここも「営業」というエリアでは「使える」考え方だと思います。
(この二つに比べると「仕組み化」はちょっとピンと来ず。…というか、ここは工夫の部分なんで、アイデアをもらって、自分たちで考えるしかないのかもしれません)


5W1H思考」は、実はあんまり期待してなかったんですが(失礼!)、読んでビックリ。実に参考になりました。
PDCAで言えば、「P」と「C」に重なるところでしょうか。
ココって確かに難しくて、「知識というよりは、経験なんだよなぁ」と半ば諦めつつあったんですが、確かに「5W1H」を駆使することで、ロジカルシンキングによる「計画立案(P)」や「状況分析(C)」は出来ますね。
ここまで明確に意識してないけど、確かに自分自身、(事例なんかを読んでると)こういう考え方をしている部分があります。それを「言語化してくれた」という意味で、本書は思わぬ拾い物になりました。


もっとも重要なのは「WHY」。特に(大元、大局につながる)「BIG WHY」の重要性は言わずもながです。
そこから「WHY」を通じて、検討要素となる「WHEN」「WHERE」「WHO」を確認して分析を深め、ポイントとなる「WHAT」を特定。その解決のための「HOW」を策定する。


バリエーションは色々ありますが(それも本書で紹介されてます)、「大枠」はこんな感じですかね。
得てして「WHY」から「HOW」に行っちゃいがちだけど、まずは「BIG WHY」で課題設定の範囲を広げ、「理念」「目的」に立ち返った上で、検討要素を詰め、それを踏まえて対応策を打ち出す。
「基本」。
だけど、結構出来ないんですよね、これがw。


本書については事例も具体的に挙げられてるので、そのままワークショップの教材にも使えるんじゃないかな、とも思いました。
ちょっと時間はかかりそうですがね。


振り返りとしての「『生産性』をあげる技術」。
ロジカルシンキングの具体的スキルとしての「5W1H思考」。
なかなか充実したチョイスでしたね、この2冊は。
さて、僕の「伝える力」も少しはレベルアップしたかな?