鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ふむふむ。:読書録「営業をマネジメントする」

・営業をマネジメントする
著者:石井淳蔵
出版:岩波現代文庫


「チームのことだけ、考えた。」で紹介されてた本。
もっとも「チーム〜」では少し「遅れた」営業のあり方としてコメントされてるんですけどね。でもなんとなく自分にはマッチするような気がして…。
そしたら、本書で「ひと時代前」の営業として紹介されている「属人営業」のところが結構マッチして、笑わされましたw。
それだけ僕の「営業」感覚が遅れてるってことです。


「営業」をプロセスに分解し、それをマップとして、進捗をマネジメントする。
一言で言えば本書で言ってるのはこう言うこと。
その「プロセス」を担うメンバーを分業させ、専門性を高める…のもありますかね。「住宅メーカー」なんかの事例を挙げて説明されてるんですが、整理されていて、非常にわかりやすかったです。
「組織型分業」ってことです。


<営業マネジャーの仕事は営業部隊を最大活用することが仕事の課題である。すなわち営業の人材と営業部門が持っている時間(営業マンの数×個々の労働時間)を最適配分すること>
<マネジャーが第一にやらなければならない仕事は「与えられた資源を最大活用する」ところにあります>


この観点から、「人(営業マン)」ではなく、「プロセス」に分解した顧客との関係性をマネジメントする方向に観点をズラすんですが、これは本当にそうだと思いますね。そうじゃないと、結局「個人の能力」や「成長」に大きく左右される「営業」になっちゃいますから。


<(1)商品を売り込むのではなく、お客さんとの関係を第一に考えること
(2)そのためにお客さんの抱える問題を解決することに営業の主眼があること
(3)お客さんとの関係づくりは、複数の案件に分解して行うこと
(4)その案件の進捗度を(中略)客観的な数字で把握しようとしていること
(5)それをマネジメントして実行にむすびつけていること>


いや、まったくその通りですわw。
「チームのことだけ、考えた」では、「プロセスを担う専門性」の部分がITの発達によって「人」ではなく「システム」でカバーできるようになったことから「属人営業」の標準化が可能となったと言ったことを論じてたんですが、これも言えますね。何れにしても「営業をプロセスに分解し、それをマネジメントする」というのは共通土台ですから。
(本書でもプロセスのプロとは別に「お客様担当」を置くことは想定されています。このポジションが「チームの〜」の「属人営業担当者」に近いですかね)


業界としては、整理しなきゃいけない箇所はありますが(個別性があるんだから当然のこと)、基本的な考え方はすごく参考になりました。
とにかく「スピード感」が「マーケット」も「商品」も大きく変わる中、旧来の「属人営業」では追いつけないのは確かだと思いますから。


…とか言いながら、
<営業の極意は「オドシ・ダマシ・スカシ」>
なんて「属人営業」ワードにも共感できたりも、するんですけどねw。