鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

いやぁ、カッコイイわ:読書録「槐」

・槐
著者:月村了衛
出版:光文社文庫

槐 (光文社文庫)

槐 (光文社文庫)


「なめて〜た〜」パターンはこの作者のお得意とするところ。
「学生が囚われる」「女子教師が実は…」ってのは、同じ作者の「ガンルージュ」とも重なりますが(http://d.hatena.ne.jp/aso4045/20160312/1457751915)、あちらは若干コメディトーンもあったのに対して、こちらは徹頭徹尾ハードボイルド・タッチ。
事件の凄惨さも上ですが、ヒロイン(槐)のキャラも、本作の方が上でしょうね。


あと「過去の『事件』でのトラウマを、今の『選択』で乗り越える」ってのも、この作者のパターンにはありますが、これにハマるのが「教頭先生」。
これまたグッと来ましたよ。
ここで来るってのは分かってるのにw。


ここ最近の作品では、作者は「ワンパターン」からの脱却を試みてるような気もするんですが、個人的にはパターンを追求してもらっても全然いいんですけどねぇ。
ナカナカそれじゃ「商売」にならないのかなぁ…。