鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「ねじまき鳥」+「ダンス・ダンス・ダンス」:読書録「騎士団長殺し」

騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編
著者:村上春樹
出版:新潮社

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編


ディスカヴァー・トゥエンティワン社長の干場弓子氏が発売騒動の頃に、村上春樹作品についてFacebookで上手いことおっしゃってました。


<極めて哲学的なテーマを掲げつつも、要は、さえない引きこもり系なんのとりえもない男がなぜか都合よく、母性的女性と娼婦系女性と聖少女系の三者にモテて助けてもらえるという、極めてラノベ的なストーリー>


「だからダメ」
とは僕は全く思わないんですが、まあ構図的には結構言い当ててるかな、と。
+「真に邪悪なるものとの対決」
と付け加えると、もっと「ラノベ」的になったりしてw。
こういう構図を思い浮かべると、作品の中にちょっと感じる「男性的決めつけ」目線にも納得感があったりもします。(本作では個人的には以前よりも気になりました。僕の方の意識の問題かもしれませんが)


読み終えた後の印象は、「ねじまき鳥」+「ダンス・ダンス・ダンス」って感じ?
「穴」(井戸じゃないけど)が出てきますし、魅力的だけど危険な男性(五反田君)も「冒険」の相棒として登場します。
1Q84」が三人称で物語の振れ幅が大きくなったのに比べると、一人称に戻った本作の「物語世界」は限定的な印象があります。
だからって、根本的な差はないといえば、ないんですがw。


なんかちょっとネガティブな物言いになってますが、僕はこの作品を十分に楽しませてもらいました。
「世界」を描こうとする村上春樹の真摯な姿勢はやっぱり評価に値すると思いますし、何より読んでて「気持ちがいい」w。
ここまでリズムのある文章を書くっていうのは、やっぱり大したモノですよ。


これで当分は長編はないかな。
次は買ったまま置いてある「プレイバック」(チャンドラーの翻訳)を読みますかね。
あと、そろそろ「ダンス・ダンス・ダンス」を電子書籍化してもらえませんか、講談社さん。