鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

考えさせられます:読書録「チームのことだけ、考えた。」

・チームのことだけ、考えた。 サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか
著者:青野慶久
出版:ダイヤモンド社Kindle版)


サイボウズ」の創設者兼社長による、「サイボウズ」奮闘記+経営論+「働き方」改革+人事制度論+自社サービス宣伝w。
Facebookである方が褒めておられたのを読んでDLしたんですが、これがナカナカのものでした。
(別に同郷(愛媛)だから褒めてるわけじゃないですよw)


創設後、自分が社長を引き受け、その後いろんな失敗をした末に「覚悟が」を決めてから考え、取り組んでいる「アレヤコレヤ」が刺激的です。
「失敗」を越えて、「覚悟」を決め、「ビジョン」として<世界で一番使われるグルーピングウエア・メーカーとなる>とさだめ、その実現のためには「多様性」が重要だと気付き、そのための組織運営・人事制度改革を重ねるようになる…。
ま、全体のアウトラインはこんな感じでしょうか。
その「多様性」を定着させ、効果的に組織に反映させるための取り組みが、実に参考になります。
ピクサー流」もそうですが、何か「答え」があるわけじゃなくて、「人」に焦点を当てて、実際的に試行錯誤を繰り返している。
これがいいんですよね。


多様性を支えるのが「自立」
それを証明するのが「質問責任」と「説明責任」


これなんか、今自分が考えている問題意識にドンピシャ感w。


サイボウズのことを酒場で愚痴るのは卑怯だ>


<多様性を維持し向上させていくには、「公明正大」と「自立」が必要と。嘘をつかないことと、人のせいにしないこと。簡単そうで難しいテーマである。>


そうなんだよな〜。
これは「チーム」として「仕事」をする上で基本だと思います。(この業界も、「多様性」を活かさなきゃやってけない時代になってますから)


そういう中でどういうふうに問題を定義し、解決に向けて組織内で議論をしていくか。
その手法として紹介されている
サイボウズ式・問題解決メソッド
サイボウズ式・理想マップ
なんかも、スゴく参考になります。


「事実」と「解釈」を区分する
とか、
「原因」「課題」を行動から考える。
(「どういう行動(した、しなかった含め)でこうなったのか」;原因
「どういう行動をすれば解決できるのか」;課題)
とか、
モチベーションは「やりたいことwill」、「やれることcan」、「やるべきことmust」が重なったところで一番高くなる
とか、
「風土変革」のない制度改革は効果なし
とか。


いやぁ、頷きまくり、ですw。


正直言って具体的な「人事制度改革」についてはさすがに「やれない」ことや「合わないこと」も多いし、業界的に「こりゃ違うな」ってのもあります。
でもそこに至るまでのベースとなる「考えたこと」、それを踏まえた「課題への取り組みのプロセス」、ここら辺がスゴく参考になるんですよね。


サイボウズ」が今後どうなるかは分かりませんが(そこらへんの「懸念」も作者は正直に書いています)、このプロセスは「一般化」されていると思っていいんじゃないかなぁ。
少なくとも僕は考えさせられたし、自分の考えの何がしかを言語化してくれたような気がして、スゴく参考になりました。
だから多少の「宣伝」臭さはOKですw。