鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

意外や意外:読書録「ゼロ・トゥ・ワン」

・ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか
著者:ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ 訳:関美和
出版:NHK出版

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか


「ペイパル・マフィア」の中心人物ピーター・ティールの作品。
評判が良いのは知ってたんですが、
「別に起業なんかしないしなぁ」
とスルーしてたんですが、Amazonのセールの案内が来て、ついポチッと。
相変わらずやられてます、Amazonさんにw。


でも意外に面白かったんですよね。もっとIT、技術至上主義の合理的&クールなお話か、「HARD THINGS」みたいな「起業の泥臭い根性物語」じゃねぇかと思ってたんですが、実は「人間賛歌」。
これは意外でした。


<大切なものはすべて、取り換えのきかない「一度限り」のものだ。
今の僕たちにできるのは、新しいものを生み出す一度限りの方法を見つけ、ただこれまでと違う未来ではなく、より良い未来を創ることーつまりゼロからから1を生み出すことだ。>


これが言いたいことのコアですね。
だから漸進的な「リーンスタートアップ」には批判的で、「誰もが考えつかないような未来」を想像し、「ゼロから1を生み出す」ことを提唱してる訳です。
そのためにはどうしたら良いか。


<そのための第一歩は、自分の頭で考えること>


まさに、まさに。


作品の中では「独占的資本主義」の優位性や重要性を語ってるし、基本的には「リバタリアン」だから、思想的には受け入れ難いって人も少なくないと思うけど、言ってることは結構同意できるんですよねぇ。
その基本は「個人を信じている」からなんでしょう。
それを信じれないところに「政治」がある…ということなんでしょうか。「個人」は信じてるけど「組織」は信じてないってことでもあるかな?
起業時のメンバーの決め方のアドバイスなんかにもそういう気配を感じます。
AIとの協業についての考え方とか、僕は納得出来ることが多かったですよ。


まあ「好き嫌い」はあると思います。ちょっと雑談話を集めたようなところもあるし。
でも僕は「読んでよかった」と思います。
ま、セールで買ったしw。