・大前研一 日本の論点 2016〜17
著者:大前研一
出版:プレジデント社(Kindle版)
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2015/11/13
- メディア: 単行本
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今更ながら、なぜ「2016〜17」?
「プレジデント」で14年15年に連載されたものをまとめたものなんですけどね。「未来に備えるために」って感じなんでしょうか?
まあ題名はいいとして、このシリーズについては基本的に「定点観測」と思って読んでます。池上彰さんの「世界の大問題」シリーズもそうですね。
池上さんの作品が割と「常識」的なラインを抑えているのに比べれば、大前さんのはちょっとトンがった感じ。でも基本的に「論理的」っていう意味では共通してるし、だからこそ「定点観測」には向いているとは思います。
(もっとも時代の流れは早い。14年下期あたりの記事は、ちょっと「今更」感がありましたw)
橋下氏のことを語ったくだり(住民投票で敗れたあたり)では、橋下氏の「人間力のなさ」について指摘していますが、僕自身は大前氏にも同類的な印象を持ってたりしますw。失礼かしらん。
でも「だからこそロジカルな発言が言える」ってところもあると思うんですがね。
日本の政治リーダーにおける「人間力」って、ちょっと論理性とは相反するところもありますからねぇ。そういう意味じゃ、橋下氏も大前氏も「参謀体質」なんじゃないかな。政治的には。
となると今の橋下氏のポジションはちょっと面白いかもしれません。
「院政」になっちゃうと、ちょっと違ってきますが…。
納められてる内容は従来からいろんなところ大前氏が言ってることと重なって「既視感」満載。
ま、それも「定点観測」なんでいいんですが、本書については敗戦後の日本について歴史的経緯や分析を語っているところがあって(「日本人が知らない日本の歴史について、話をしよう」)、これはちょっと目新しく楽しめたでしょうか。
いや、べつに「驚愕の事実」みたいなもんが語られてるわけじゃないんですけどね。