・「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート
著者:コリン・ジョイス 訳:谷岡健彦
出版:NHK出版

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)
- 作者: コリンジョイス,Colin Joyce,谷岡健彦
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2006/12/07
- メディア: 新書
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文藝春秋10月号で塩野七生氏が本書を取り上げ、話題となりました。
僕も同号を読んで(「従軍慰安婦」特集号でした)、本屋で探したんですが、その時点では既に売り切れ。Amazonでも「入庫待ち」状態になってました。
「まあ。予約して読むもんでもないか」
とその時はスルーしたんですが、先日本屋へ行ったら、ド派手なデカ帯が掛けられ、
「『文藝春秋』で塩野七生氏絶賛
大反響10万部突破!」
の煽り文字が踊っていました。
「あれだけ評判になってっても、『10万部』かぁ。出版不況も大変やなぁ」
などと、頓珍漢なことを考えながら、リアル書店での購入となりました。
本書の出版は「2006年」。
出版されたときにもチョット評判になってた記憶があるんですよね。
その時も「買おうかな」と思った覚えがあります。
あのタイミングで買ってたら、
「先見の明あり」
って言えたかな?
ま、そんな大層な本ではありませんがw。
内容は日本に10年以上滞在した(今は帰国されているようです)イギリス人による日本による「エッセイ」です。
「観光」寄りの話ではなくて、「日常」に沿った話が多くて、それだけに、
「なるほど、そう感じるのか」
というチョットした「気付き」にもなるあたりが「面白さ」ですね。
一番印象に残ったのが「銭湯」。
外国人にここまで「銭湯」の評価が高いとは・・・。
(最近はちょっと回帰しているところは日本でもありますかね。
ただ日本人の場合、「風呂好き」すぎて、銭湯の「日常使い」から遠ざかっちゃったってのはあると思います)
過剰に誉めるでもなく、貶すでもなく、適度な距離感を持って、ユーモアたっぷりに日本の風景や日本人のスタイルを切り取ってみせる。
この「ユーモア」こそが最も重要であり、ポイント。
「成熟」した社会を目指さざるを得ない日本において、こういう「ユーモア」、それもちょっと「皮肉」のスパイスも加えた上質な「ユーモア」っていうのは、自分自身を客観視する癖を付けるためにも必要なんだよな、と感じます。
こういうのって、「ヘイトスピーチ」を巡る言説の対局にあるスタンスでもありますね。(個人的には「ヘイトスピーチ」は犯罪として規制する必要があると思ってますが)
もっとも個人的には
「真面目な顔して冗談を言う」
って言うタイプの人は苦手なんですけどね!
ナカナカ成熟できませんワ。