鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「本命」「興奮」「大穴」

・本命



・興奮



・大穴



著者:ディック・フランシス 訳:菊池光
出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)


ディック・フランシス「競馬」シリーズ初期作品が電子書籍化されてるのに偶然気付き(5作かな)、嬉しさのあまり、ポチッ。
全部持ってるのにw。
ま、今後の名作の電子書籍化を期待&応援と言うことにしましょうか。



で、早速3作を読みました。
デビュー作「本命」
初期の傑作「興奮」
そして個人的に最も好きな作品(利腕)につながる「大穴」
ザクッと斜め読みのつもりだったんですが、読み始めると、割とシッカリ読み返してしまいました。
やっぱ充実ですね、この3作は。



発表されたのが60年代だから、そりゃ古びてるとこもあります。
携帯電話どころか、固定電話すら「交換手を通じて」ですから。
「大穴」でキャンペーンを検討するのに、「ビートルズのような連中にきてもらって」ってあるのには、苦笑です。



それでいて物語として古びていないのは、「核」の部分が今にも通じるからでしょう。
一言で言えば、「自尊心」。
自分自身にとって何が「許せない」のか。
自分を自分たらしめているのは「何か」。
冒険小説でありながら、こうした観念的な部分が作品を成り立たせてるトコが、このシリーズの特徴です。
(もっともそのため、「映画化」には向かないのですが)



まあでも、
こうした作品自体が「男性至上主義」に通じ、時代から取り残されつつある…って可能性はあるかなぁ。
子供たちがどう読むかってのは、ちょっと気になります。



まだ先の話でしょうがw。