鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

うーん…、これって面白い?:映画評「ステキな金縛り」

確か、「大ヒット」したんですよね。
僕は三谷作品はテレビも映画も好きなんですが(チャンスがなくて芝居は見たことないんですが)、コレは頭っから最後までノレませんでした。
でも「大ヒット」。
…僕の感覚がおかしいんでしょうか?


「ステキな金縛り」



まずはリアリティがなさすぎ。
いや、幽霊を証人に…ってのはいいんですよ。
それは「設定」ですから。
でもそこに「リアリティ」を生み出すのがフィクションの力でしょう。
そのために設定も、キャラクターも、シナリオも、演出も注力する。
そこにフィクションながら「リアリティ」が生み出されるわけです。



…でも本作にはそれが全く感じられないんですよ。
最初っから最後まで、「作り物」丸出しのドタバタが繰り広げられるだけです。
笑える?
まあねぇ。
でも泣けはしませんよ、コレじゃ。



ストーリーもそこかしこのバランスがグタグタ。
その中でも幽霊の「六兵衛」が途中退出しちゃう展開と、ラストでの唐突な「父恋し」展開は特にヒドい。
これはもう思いつきでエピソードを並べたとしか思えないくらいの破綻ぶりです。
父親の件は伏線らしきものは確かにありましたが、ラストを浚うなら、それなりの積み重ねが必要でしょう。
そこんとこが、全く…。
三谷作品の良さって、良くも悪くも、物語が収斂して行く気持ちよさだと思ってたんですが、本作には全くそれがありません。
ちょっと呆然としちゃいました。
エンドロールも、ああするなら、それなりの本編でのフォローは絶対に必要でしょう!
(阿部寛の扱いも…。ただ本作で一番いいのは彼です。最近の活躍ぶりを証明する充実ぶりではありました)



実は僕はこれをお酒を飲んだあとに(iPhoneで)見たので、もしかしたらアルコールの影響があるかもしれません。
もしかしたら素面で見たら、笑いと涙の大傑作なのかも…。



でも、もう一回見る気にはなれないなぁ。