鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「僕がアップルで学んだこと」

・僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる
著者:松井博
出版:アスキー新書



「インサイド・アップル」は外部の人間がいろいろなインタビューを通じてアップルの内部を解き明かす作品だったが、本書はアップルのシニアマネージャーを務めた人物が語る作品。
ジョブズがなくなったとき、自分の経験についてブログで語ったのが評判になり、本書につながったようだ。
僕もそのブログは読んだけど、確かに興味深い内容だったからね。



「インサイト・アップル」と本書を通じて浮かび上がってくるのが、徹底的な個人責任を明らかにするためにシンプルな組織を作り上げたアップルの姿。
その個人責任の明確化が、大胆な権限移譲や自由度につながっており、そのことがアップルの強さに繋がっているってというのが両者の見立てだ。
誰かがそーゆーアップルでの姿をブラック企業になぞらえていたような気がするが、まぁ確かに通じるものがある。
その差は、生み出す商品そのもの、さらにはそのバックにある思想の魅力だ。
それがあるからこそ、多くの人は自らの生活を犠牲にしてまでアップルの仕事に没入してしまうと言う訳だ。
これはまぁ、そうだろうと思うよ。



本書の前半はこういう風にアップルの姿を描くことに費やされているが、後半では、そこから作者が学んだ仕事の仕方、組織のあり方・運営の仕方、そして人生の過ごし方等が語れることになる。
こちらの方も僕には興味深く読めた。
歳も歳だからw、今更自分の生き方をそんなに大きく変えるわけにもいかないというのもあるが、それでも考えさせられることが少なくなかったよ。
格別、特別なことが語られてるっていうわけでもないんだけどね。
ここら辺は生きてきたその人そのものの重みと言うやつだろう。
「やりたいことリスト」を作ってみようかなーなんて思ったりもしているw。



個人的には、作者がアップルをリストラされた時の話なんか、もう少し詳しくし聞きたかったような気もするね。
まぁでもそれは野次馬根性ってことかなw。
作者がそのことも含め前向きに捉えてるっていうのは伝わってくるからね。



それにしても今は幼稚園を経営しているとか。
これもまたなかなか面白い話だけど、「それは別の話」ということでしょう。



そこそこボリュームがある「インサイド・アップル」を読むのがかったるいなぁって人は、こちらからはいるっていうのもあると思います。