鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「幸せな未来は『ゲーム』が創る」

・幸せな未来はゲームが創る
著者:ジェイン・マクゴニカル  訳:藤本徹、藤井清美
監修:妹尾堅一郎
出版:早川書房



「ゲーミフィケーション」に関する本だと思うけど、そーゆー技術論ではなくてゲームの本質やゲーマーの特質から語り始めるところに本書の特徴が見える。
ゲームをうまく使うことで現実改変をやっていくというような技術論じゃなくて、ゲームそのものに現実を変革していく性質がある、そこまでゲームは成長しているのだというのが作者の主張だろう。



まぁ、正直言って僕自身はそこまで「ゲーム」というものに対して期待感を持つことができない。
むしろ現実改変を行う上での技術として「ゲーム」を導入するという「ゲーミフィケーション」の考え方の方が僕にはしっくりとくる。
紹介されているARGなんかも、僕から見るとちょっと気恥ずかしいものがあるしねw。



ただゲームに習熟した世代がやがて社会出て来ると言う点は確かに考慮してもいいのかもしれない。
そのことによってゲームを現実改変に活用しようという心理的ハードルは大きく下がるってのは、確かにあるような気もするよ。



もちろんいったいどこまで現実改変をゲームに組み込んでいけるのかという問題点はあるだろう。
そういうゲーム設計ができる人材がどれだけあるかという点も気になる。
したがってそこら辺が整備されないとこうした流れが社会の主流になるというのがなかなか難しいと思う。



ただ、可能性という点では面白い。
また課題を絞ってこういう考え方を導入してきていることは悪くないんじゃないかとも思う。
ここら辺は僕らの後の世代が取り組んでいく課題だとも言えるだろう。



そーゆー期待感を抱かせる作品ではあった。