鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「氷菓」

・氷菓
著者:米澤穂信
出版:角川文庫



ちょうど手持ちの本がなくなった時に本屋で見かけて購入。
「アニメ化」
ってのが、ちょっと気になっちゃってw。
薄い作品なので、すぐに読めそうってのもあった。



うーん、だけど、個人的にはダメだったなぁ。
シリーズ化されてるし、アニメにもなるくらいだから、それなりのファン層はあるんだと思うんだけど、僕は乗り切れなかった。



なんかキャラクターが不自然な感じがするんだよねぇ。
特に「省エネ」をモットーとする主人公ってのが。
その割に結構、動き回るしね。
そこら辺が「青春」ってことなのかもしれないけど(主人公達は高校生)、単にご都合主義的な設定にしか僕には読めなかった。
そこに「面白み」を感じる人もいるのかもしれないが・・・。



あとメインのストーリーで、主人公に謎解きを依頼するヒロインの動機も何かとってつけたような感じがしたってのもあるなぁ。
要は全体的に作り物じみた設定が鼻につくんだよね。
もともと「ミステリー」にはそういうとこあるんだけど(「名探偵」なんて典型的設定)、そこに作品的リアリティをもたらすのが作者の腕なんじゃない?
「青春ドラマ」として妙に現実的設定を持ち込みながら(謎解きに関係する「学園紛争」の背景とかも)、局所局所のフェイクじみた設定に何だか、興を削がれたってこと。
あくまでも「僕は」ってことだけど。



そういや、この作者、「インシテミル」の作者かぁ。
あれも途中で無理矢理な設定に耐え切れなくて、放り出しちゃったんだよな。
どうも僕はこの作者とは相性が悪いらしい。
(って、買う前に気がつけってことですねw)