・ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くためにやっておくべきこと
著者;本田直之
出版:朝日新聞出版
うーん、これを買うつもりはなかったんだけどなぁ。
買うにしても「電子書籍になってから」と思ってたんだけど、つい書店で見かけてフラフラとw。
うーん・・・。
別に個人的には「ノマドライフ」に対する憧れはないんだよね。
実際、やるにはかなり厳しい生き方だと思ってるし。(これは作者も同意見だろう)
単なる「憧れ」で踏み込めるような生き方じゃあないんだよな。
特に「家族持ち」には色々ハードルがあると思う。
一方で「ノマド」を成立させる要件のひとつである「モバイル環境」のところには興味があって、本書の購入動機のいくらかはそこに発しているとは思う。
もっとも本書ではそう言う具体的なノウハウ、ツール紹介の部分はあんまりないんだけどね。
そう言う意味じゃ、「期待はずれ」だったかも。
まあでも読んでみると結構面白かったな。
冒頭、作者は「ノマドライフ」に踏み出す段階として、
第1フェーズ ベース構築期(5年)
第2フェーズ 方向性の模索期(3年)
第3フェーズ 未来につながる実績を残す時期(5年)
第4フェーズ 転換期(2年)
第5フェーズ 実践期(5年)
第6フェーズ シェアの時期
と言う目安を提示している。
つまり「実践」までに「15年」かかる訳ね。
となると今から僕が取り組むとすると、定年後の備えと言うことになると言う・・・w。
まあそれはそれで必要なのかもしれないけど、本書のメインターゲットに僕のような年次の人間が含まれてないのは確かだろう。
それでいて面白かったのは、結局本書の中核となる主張が「考え方」や「ライフスタイル」にかかわるところにあるから。
思考の柔軟性を確保するための取り組みや、所有物を減らして「自由」を獲得する考え方、「消費」や「浪費」を減らし、「(自己)投資」を重視するお金の使い方 等々
割りと同感できるところが多かった。
「複業」に対する考え方はチョット違うんだけどね。
でも「自由」と言うことを重視する考え方には惹かれるものがあるなぁ。
そう言う点で、それなりの刺激を受けることはできたので、これはこれで良し、とw。
ビジネスマンとしての初期の一時期に、作者の言う「第1フェーズ」や「第3フェーズ」のように、仕事に没頭する時期が必要だと言うことは、様々な成果をあげているビジネスマンが言っていること。
そのことを踏まえた上で、「ノマドライフ」を目指すと言うのであれば、本書を若いうちに読むことは意義深いと思う。
作者もそのことはよくわかっていて、安易な「ノマドライフ」や「グローバル・ビジネスマン」への憧れは害悪でしかない点を踏まえて本書を執筆しているようだけど、まあそれでもそう言う憧れって、どうしても顔を出しちゃうからねぇ。
それって実は現実逃避なんだけどさ。(自戒)
まあ本書を毒にするも、薬にするも、所詮は読み手次第ってことですか。
僕らくらいの歳になると、そのリスクは減るけどね。(ただしリターンも少ないw)