鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

悪くはない。ないんだけど・・・

「なぜ、今コレを?」
その疑問が最後まで解けませんでした。
作品としては「ゲド戦記」より、ずーっといいんですけどね。

「コクリコ坂から」



一つ感じたのは、この作品の本当に大切な部分は「親の世代」にあるんだろうな、ってこと。
カルチェラタンを巡る活動は主人公達世代の「同志」的連帯を盛り上げ、そのことが事態を打開するんだけど、
一方でかつての彼らの親達の「同志」的連帯は(結果的にではあるが)主人公達の「出生の秘密」を生み出してしまう。
主人公達が自らの出自を探る旅は、親達の世代の「同志」としての「決断」に行き当たる訳です。



いわば青春の一時期の「盛り上がり」である主人公達の活動に対し、親の世代の「同志」としての生き方、決断、選択が如何に重く、真摯であるか・・・って言うと、ちょっと主人公達に厳しすぎますねw。
その後の世代である我々にとっては尚更に。
(主人公の親のさらに上の世代である「理事長」は戦争世代であり、さらに厳しい「決断」や「選択」を身を持っている知ってる。
彼が主人公の「海」にかける言葉にはそれがにじみ出ていました)



親達の想いを受け継ぎ、主人公達は背筋を伸ばして真っすぐに生きている。
その立ち姿が本作の最も好感の持てるところかもしれません。



しかしこういう親達じゃ、なかなか反抗できないなぁw。
それでも反抗するってのが子供には必要なのかもしれないんですけどね。
(ま、そのことは監督が一番分かってるでしょうw)