鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「未来改造のススメ」

・未来改造のススメ Ver.Up版  脱「お金」時代の幸福論
著者:岡田斗司夫、小飼弾
出版:電子書籍(iPhoneアプリ)

この二人の著作を何で出版されたときに買わなかったのか、我ながらチョット不思議。
興味深い顔合わせなんだけどなぁ。

ただ結果的には電子書籍版で読んだのは正解だったようにも思うけどね。
「Ver.Up」で出版後のコンテンツが追加されてるって言うのもあるけど、何より本書がキッカケでスタートした岡田氏の新しいプロジェクト「オタキングex.」がスタートしてるって言うのが、本書をこのタイミングで読む意義だと思う。
(ま、もっとも正直なところ「オタキングex.」の正否って言うのは、何とも判断しがたい段階ではあるんだけどね。第一印象としては「ネット展開をどうするかが問題」って感じはしてる)


本書は「先読み」の達人(かつ元オタクw)二人が、コレからの社会のありようについて、縦横に語り合った・・・って感じの本。
まあ突っ走り過ぎって感じもするけど、興味深くも読める。
例えば「ホリエモン×ひろゆき」対談なんかに近いイメージはあるけど、もうちょっと本書の方が「社会人」的かなw。
まああの二人よりは「常識的」な部分がこの二人の方が多いでしょう。
根っこはどうか分かりませんがw。(存外、こっちの二人の方が「危険」な気配がするんだけど)


いろんな話が展開しているから、本書の「核」が何かを特定するのは難しいんだけど、敢えて言うなら、
「コンテンツ・フリーを前提とした仕事のあり方」
「ベーシック・インカム」
かな?
このうち前者が「オタキングex.」として実験されている訳。
「ベーシック・インカム」の方はナカナカ「実現」とは行かないけど、そういった考え方があることは徐々に広がっているように思う。
個人的には人間本性との関係で、「ベーシック・インカム」をベースとした社会が安定的に成立しうるのかという点に懸念は持ってるんだけど、世代間格差の問題を突破しうる一つの視点なのかもしれないな、とも感じている。
「子供手当」なんかもそういう意味で定義しうるところがあるとは思ってるんだけどねぇ。
ここら辺は政局の中でグダグダになりそうではあるが。


本書の意義は何よりも「岡田氏の行動につながっている」ってトコにあるんじゃないかね。
「未来」を予想し、「改造」を提言する人は多くいるが、自ら「実行」する人はそれほどいない。
加えるに、このスピード感。(本書のリアル書籍版の発行は10年7月。オタキングex.の書籍は先日発行されてるから、半年ほどで成果につなげていることになる)
正否はともかくとして、これは評価できるだろう。
政権交代後、遅々として成果を出せない(どころか後退しているようにも見える)民主党政権に比べれば、なおさらに・・・w。


ま、アプリで読むには丁度いい作品じゃないでしょうか。