鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

レベルは高い。でもだからって面白いとは・・・:映画評「メリダとおそろしの森」

いや、面白くなかった訳じゃないんですけどね。
ハイレベルの世界での比較の話。




「メリダとおそろしの森」



本作はアカデミー賞のアニメ部門を「シュガーラッシュ」と争って、賞を獲得したんだけど、面白さでは「シュガーラッシュ」の方が数段上でしょう。
・・・と言うか、ピクサーはディスニーと一緒になって、かつてのピクサー水準の作品(トイストーリーとか、カーズとか)はディズニー制作にして、ピクサーとしてはあくまでも先端技術への「チャレンジ」を追い求めているのかもしれないですね。
髪の毛の表現とか、毛皮の質感、暗い森の表現とかは、確かに唸らせるモノがあります。



物語としては、
「『生き方』を押し付ける母親と、『自由』を求める娘の葛藤」。
少し前のディズニー映画「ラプンツェル」のテーマでもありましたが、本作では更に正面から取り上げています。
こういうのって一昔前だと「父と息子の葛藤」だったと思うんですが、時代も変わったなぁ、と。結構、「母と娘」ってのは難しい関係でもあるようですし。



ただテーマの掘り下げとしては「?」ってとこもあるかな?
本質的には「双方が変わらなければならない」ってことだと思うんですが、どうも「メリダ」の方の「改心」は今ひとつ中途半端な印象があります。
あのオチだと、「結局、母親の考えに従う」・・・ってことにもなりかねないんちゃう?
ま、ここら辺、追求しすぎると暗くなりすぎるってのもあるのかもしれませんがw。
あと個人的には闇や暗い森の表現が観にくかったってのもあるんですが、これは昼間にTVで観たからかもしれません。



ま、レベルが高いのは確かだし、チャレンジ精神も買います。
でも万人受けするかっていうと、そりゃないかな・・・って感じでしょうか?