鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ダメ親父の地獄めぐり:映画評「宇宙戦争」

ウィークエンドシャッフルの「トム・クルーズ」特集で、評者が一様に本作を褒めてたので、永く見ずにいた本作をAmazon primeで視聴。
「All Need Is Kill」のトムの「ダメっぷり」が楽しかったので、ってのもありますw。


宇宙戦争


スピルバーグ作品なのにスルーしてたのは、「結局、主人公が何にもせず、逃げ回ってるだけ」という評を聞いてたから。
全くその評の通りw。
ラストの「何事もなさぶり」(世界はめちゃくちゃだけど、身内は…ってオチ)も、「逃げ回っただけ」感を強くします。


でも、これはそういう映画なんですよね。
言わば「地獄めぐり」。
CGに支えられたスピルバーグの想像力が描き出す「地獄絵図」こそが本作の「主人公」。
その現実から隔絶した恐ろしさを体感し、その果てに「日常」に戻ってくる。
だからラストはアレで良い訳です。


終盤、ちょっぴりトムの「ヒーローぶり」も顔を出しますが、彼の見所はそこじゃなくて、子供たちとの道中にみせる「ダメ男」ぶりと、その「ダメ男」が「地獄」の中で決断する「非情」でしょう。
ティム・ロビンスとの「地下」での一連のシーンは、ホンマ「地獄」です…。


CGやアクションを楽しむ娯楽映画じゃ全然ありません
でも「だからこそ」観る価値がある。
スピルバーグおそるべし。トム・クルーズ侮れず…の一作です。