・すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論
著者:堀江貴文
出版:光文社新書
すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)
- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/03/16
- メディア: 新書
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・AI経営で会社は甦る
著者:冨山和彦
出版:文藝春秋
- 作者: 冨山和彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/03/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ホリエモンの本は山ほど出てるんで最近は食指が動いてなかったんですが、なんかの弾みでツイw。
ご本人は「今までとは少し毛色の違った作品」とおっしゃってますが、僕はあんまり違和感なかったなぁ。まあこれはネットでのいろんな発言を読んでるからからかもしれません。
「現在の学校制度・教育システムは産業革命後(日本だと明治維新後)の『国民』創生のための『洗脳』的な仕組みであった。そこで想定されている『国民』は工業化社会を支える存在として想定されているが、脱・工業化社会の流れの中でその仕組みが機能しなくなっている」
基本的にはこう言うことなんでしょうが、僕も概ね異論はありません。
そう言う仕組みや考えに囚われている存在を「N」(ネーション)としてくくり、そこから脱して、「G」(グローバル)と「L」(ローカル)の世界観・人材が共存する社会に適合していく必要がある。そのためには「N」に囚われた教育システム(端的には「学校」)の軛を外し、「自分の好きなことに没入する」学びによる成長と働きをしていく必要がある。
…こんな感じでしょうか?
まあ分かるし、GとLに対峙するNってのも納得感があるんですが、もう少し具体的なところを…と思ってるところに、元祖「G/L」論者w冨山和彦氏の新作が出版されてたので、続けて読んでみました。
<「デジタル革命第三期」「バーチャル・サイバーからリアル・フィジカルへ」「Lの風とSの風」「オープンとクローズドのハイブリッド経営システム」「プロフェッショナルモデルVSサラリーマンモデル」などなど、本書ではいくつかのキーワードを提示してきた。>
本書で書かれてるのはここら辺の話。
「G」「L」との絡みでいうと、
デジタル革命第2期まではネットの世界での革命であったことから「カジュアル」(C)なビジネスモデルが力を持ってきたし、それゆえ「グローバル」が「勝ち組」のポジションを取ってきた。
しかしデジタル革命が進展し(AIやIoT)、「モノ」の世界に食い込んできた現在、「シリアス」(S)なビジネスモデルが焦点となってきている。「安全性」や「耐久性」「柔軟性」が問われる「シリアス」な世界は「ローカル」の領域であり、デジタル革命を享受した「ローカル」にも「勝ち組」となる可能性が十分にある。「シリアス」に強い「日本」には少子高齢化等の社会変動もあり、アドバンテージが十分にある。
…ってな感じでしょうか。
もちろん単純に「ローカルが勝つ」って話ではなく、あくまでも「デジタル革命を取り込む」と言うことが前提にあるんですが(ここら辺の、経営層の「変革」が強く求められています)、少なくとも「アメリカにやられっ放し」って話じゃないところがいいですねw。
「L」(ローカル)につながる「S」(シリアス)って領域の設定は、結構いいなと思います。
自動車、医療、サービス業…「安全性」や「人との接点(柔軟な対応)」が求められる分野は、確かにPCやスマホのように「とにかく新しい機能を世に出して、不具合があったらバージョンアップ」では済まない世界です。
ただ「だからアメリカにはやられないんだ」と言うのは大間違い。彼らもそのことはよく分かっていて手を打とうとしているし、ビジネス全体を「シリアスだから」とくくってしまうのではなく、競争領域となるものはどんどん外注化・デジタル化を進めることで「シリアス」のコアの部分を強化していく必要がある。(技術が重要なんじゃなくて、技術をビジネスや組織・社会にどう組み込み、トータルでどうイノベーションを実現するかが重要)
そこら辺のことが日本の企業は結構苦手…ってのも思い当たる節があります
Nの限界が見える中で、人材はGとLに分化していく。
Cビジネスの中ではGが圧倒的な生産性を示していたが、デジタル革命の領域がSビジネスに及ぶ中、Lの重要性が高くなりつつある。
この流れを踏まえた個人の戦略や、人材育成のための仕組み作りをしていく必要がある。
2作品を読んだ感想はこんなところでしょうか?
「GのほうがLより上とか言う話では全然ない」
と二人ともおっしゃるのですが、それでもなんとなく「Gの方が上なんだぜ」って気配を感じちゃうのは、僕の僻みかもしれませんがw。