鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

なるほどねぇ:読書録「FinTech2.0」

・FinTech2.0 金融とITの関係がビジネスを変える
著者:楠真
出版:中央経済社

FinTech 2.0ー金融とITの関係がビジネスを変える

FinTech 2.0ー金融とITの関係がビジネスを変える


完全に「仕事」がらみで読んだ本。なんか最近、「フィンテック、FinTech」って、「上」の方が言ってるんで、「何なんかなぁ」と思ってw。
少し前にムック本を買ってみたんですが、「ブロックチェーンがどうのこうの」と、何やら敷居が高いわ、間口は狭いわで、「?」だったんですよね。何となくの「イメージ」はさすがに持ってはいたものの…。


で、本書。
野村総研の理事が書かれた本で、Facebookか何かで流れてきた情報で知った作品です。
正直、私にはこれくらいがちょうどいいですw。「今知りたい」と思ってたところにちょうど届いた感じ。
モバイルプラットフォーム、ロボアドバイザー、仮想通貨、ブロックチェーン、クラウドファンディング、デジタルトランスフォーメーションetc、etc
「ブロックチェーン」あたりはやっぱり理解が追いつかないところもありましたがw、僕が知っておくレベル感から言えば、「これくらいでいいかな」って知識は手に入ったように思います(誤解の可能性はあるけどw)。
日米間の格差に関する感覚も割とフィットしましたね。


FinTechが既存の金融ビジネスや社会環境を「Disrupt=ぶっつぶす」可能性はいつだってあります。
ただ現状を考えると、単体でそういう存在が出てくるというよりは、既存の組織の中に新しい技術やサービスが取り込まれていく…って言うイメージだっていうのは納得感あり、です。
そのとき、各種の規制や既存金融機関の「後進性」(システムや人材)がネックとなり、そこに日米間格差が見られるってのも、「まあそうだろうな」、と。


じゃあ、遅れたなりに日本は日本でやっていけばいいのか?
問題は第三世代プラットフォームの「雄」=Apple、Facebook、Amazon…の動向でしょう。
新しいベンチャーが「Disrupt」を成し遂げるのは、金融というフィールドでは難しい。だが社会の中新しいインフラとなってきている「第三世代プラットフォーム」を巻き込んだ動きとなったとき、胡座をかいた金融機関は「Disrupt」される可能性が高い。
「デジタルトランスフォーメーション」の最も高い危険性はここにあると思います。


個人的に「インターネットバンク」は便利に使わせてもらってます。使ってない人の気持ちがわからないくらいw。
でも導入するときのあの手続きの煩雑さ。
サービスの本質と、それに至る手続きの性質があまりにもかけ離れれて、ほとんど「不可解」な思いに囚われたことを今でも覚えています。
相当馬鹿げた展開でしたね、あれは。(とにかく時間がかかりすぎだし)


結局「FinTechがどうのこうの」っていうより、「効率性の高い・生産性の高いサービス」がビジネスや社会に組み込まれるかどうか、ってことでしょう。
その「可能性」がFinTechにはある一方で、懸念が日本の現状には少なからずある。
本書を読んだ偽らざる感想がコレです。


杞憂であって欲しいんですがね。