鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ガチの「本読み」じゃないかな?:読書録「本を読む人だけが手にするもの」

・本を読む人だけが手にするもの
著者:藤原和博
出版:日本実業社出版社(iBOOK版)

本を読む人だけが手にするもの

本を読む人だけが手にするもの



妻がiBOOKで購入したものをDLして読ませていただきました。iBOOKはファミリーユースできるのが有難いです。


まあ「読書の効用」みたいなものを論じた本ですが、大筋では同意できるかな、と。
これからの社会が「本を読む習慣がある人」と「そうでない人」に二分される階層社会になる…ってのは、「言い過ぎ」というか、「今までもそんな感じだったよ」というかw。
作者自身、バリバリのビジネスマン時代は「本を読んでなかった」わけだから、「読書」が社会的成功に直結するってのは短絡すぎるでしょう。
もっとも
「本を読んだ人が成功するわけじゃないが、成功した人は本を読んでいる」
ってのは個人的経験からも「当たってるかな」と思ってはいます。
読書の「害毒」も少なからずあることも、よ〜く知ってますがねw。


作者はリクルート・フェローを経て、公立中学の民間校長などを経験した面白い経歴の御仁。発言の多くはビジネスサイド寄りではあるけど、そういうスタンスで社会的・公共的な制度に手を入れていくことが求められる風潮の中、色々活動が注目されています。
僕自身も、どちらかというと近い意見を持ってますかねぇ。懸念点は少なくないものの、停滞し、固定化しつつある社会に自主性や自由の風を吹かせるには、こういう人材に活躍してもらわないと…。


ただ「読書人」としては割と「普通」じゃないでしょうかw。
少し前に読んだ、橘玲氏の作品(「読まなくていい本」の読書案内)や、出口治明氏なんかの諸作品を考えると、広がりも深みも一歩下がる印象です。
ただ「ビジネスマン」目線で考えると、「いい塩梅」って感じもします。
「効用」「実利」一本やりに走ってるわけでもないし、かといって「哲学」「観念論」に絡め取られているわけでもない。
紹介されてる本の並びを見ても、「バランスとれてるな」と思いますよ。幾つかはピックアップもさせてもらいました。


まあ、ちょっと「自慢」モードに入るところもあってw、そこらへんは背中がかゆくなる感じもするんですが、「読書」というものに一歩引いた印象がある人にとっては、こういうスタンスから入るのも「あり」じゃないかと思います。
これくらいの感覚なら「害毒」に侵されることもないし。
「ぬるいな」と思った人は、ちょっと「害毒」の可能性を考えたほうが良いかもしれませんw。