・アップル、グーグルが神になる日 ハードウエアはなぜゴミなのか?
著者:上原昭宏、山路達也
出版:光文社新書(Kindle版)
アップル、グーグルが神になる日 ハードウェアはなぜゴミなのか? (光文社新書)
- 作者: 上原昭宏,山路達也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/04/16
- メディア: 新書
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一連の人工知能がらみの作品を読んでて、そこから「IoT」の現状を知りたくなって手を出した作品。
個人的には「インダストリー4.0」あたりの状況が知りたかったんですが、本書はそこはスルーして、もっと個人生活の中で「IoT」がどういう風になってくるか、って言うのを論じた本でした。
そう言う意味じゃ、「期待外れ」だったんですが、これは勝手なコッチの思い込みでw、読んでみたら実に興味深い内容でした。
と言うか、僕自身のことを考えると、コッチの方がずっと影響が大きいですな。
一読に値する本です。
「ハードウエアは何故ゴミなのか」
これはこれからの社会が、「クラウド」に集積されたデータをベースに、個人生活の支援やサービスを、人間が作業したり、働きかけたりしなくても行われるようになる方向に動いているからであって、その中ではハードウエアは「取り替え可能な」道具となる/ならざるを得ないから。
考えてみたらiPhoneだってそう。
iPhone4sは今でも使えるし使ってる人もいるとおもうけど、「3s」は微妙でしょう。
要は多くの道具が「IoT」によってクラウドとつながることで、クラウドがビッグデータ等をベースにした高度なサービスや「振る舞い」を実現する一方で、ハードウエアそのもの存在価値は相対的に下がってくる・・・ということ。
今やiPhoneはそういう段階にまで来てますからね。
重要なのは端末じゃなくて、「クラウドに何があるか」「クラウドと連携して何ができるか」。
その一歩先の世界がここでは論じされています。
(この基盤となる「クラウド」を押さえつつあることをもって、「アップル、グーグルが神になる」と。EUの勧告なんかの事も頭を過ぎります)
それを可能にしたのがBluetoothの新しい技術である「BLE」。
言葉だけは知ってましたが、その重要性がこんなところにあるというのは、本書を読んで初めて知りました。
いやぁ、刺激的、刺激的。
「AIの衝撃」ではIoTやロボットと、ビッグデータやAIの関係が整理されてましたが、個人生活の場になると、ビッグデータを集積し、AIで高度な処理を行う「クラウド」の世界と、その集積機能を担うIoT、クラウドからのFBの機能を担う各種デバイス、そしてそれらをつなぐBLE・・・という構図になるという事を、本書では踏み込んで語っています。
全く目新しい「事実」はなかったんですが、こういう構図・関連性になってるとは・・・。
どーんどん、世の中って変わってるんですね。
勿論、革命的に一気に何かが変わるってものでもないんでしょう。
でも着実に「カエル」が浸かっている「水」の温度は上がりつつある。
要すればそんな感じでしょうか。
「茹でガエル」になりたくないようなら、一読をお勧めいたしますw。