鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ゆるく考えよう」

・ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法
著者:ちきりん
出版:イースト・プレス(Kindle版)



有名ブロガー「ちきりん」氏の初出版作品。
と言っても、ブログで発表されたものがベースになってるから、「処女作」と言っていいかどうかは何とも言えないんですが・・・。
僕自身はちきりん氏のブログは結構読んでるし、考えが合うケースも少なくないと思ってます。



<「自分は何をしたら楽しいのか」という自分目線の価値観を重視する>



ってのは、価値観が多様化し、情報が氾濫する現代においては大切なスタンスだと思います。
その中でストレスを感じないためには、「目標を高くしない」ってあたりが「ゆるく」「ラク」に通じるとこですかね。
ここには反論もあると思うけど、誰もが成功者になれる訳じゃない以上、どこかでは向き合う必要もあるんじゃないか、と。
もっともこのベースには「個人主義」的な考えがあって、その向こうには「新自由主義」的価値観に通じるところもあります。
「ゆるく」「ラク」と言いながら、結構厳しいところを点いてるよなぁ・・・てのが、僕の「ちきりん」氏への見方でもあるんですけどね。



僕自身はもう少し「コミュニティ」を重んじた生き方へスライドして行くべきじゃないかと考えている時期です。(今はそういう生き方に徹しきれてないという認識もあります)
ただ風潮として、「社会のため全体のために、個を抑制し我慢すること」を重視する流れが急速に強まってる気がしてて、懸念も感じています。全体主義的な流れは、「思考停止」を生みやすいだけに、一気に広がる可能性がありますからねぇ。



そういう意味では「ゆるく」ではあっても、「考える」ことを重視するちきりん氏の「あり方」は貴重であり、示唆に富むと言えるかもしれません。
少なくともその入り口として、本書のようなエッセイを読むことには意味があるんじゃないでしょうか?
「考える」ことを放棄しないためにも。