久しぶりに映画館での鑑賞。
劇場に行ったら結構若い女性がロビーにいて、
「ディカプリオ人気は健在か」
と思いきや、劇場(3D吹替版)に入ったら、観客は僕一人w。
彼女達は「真夏の方程式」(福山雅治主演)の方だったんですな。
ま、そりゃそうかw。
でも悪くなかったですよ、これ。
ギャツビーのフェイクぶりを、
ディカプリオの演技、バズ・ラーマンの演出、「3D」という新しい技術、派手で凝った美術、ゴージャスで現代的な音楽etc
が素晴らしく浮き立たせていたと思います。
(花火を背景にディカプリオがシャンパングラスを掲げた時は、
「コマーシャルかよ!」
って思ったくらいw)
トムとデイジーのブキャナン夫妻の卑劣な偽物っぷり(名家ったって、アメリカだからなぁ)もね。
「ギャツビー」ってのは所詮はメロドラマで、それが「名作」となっているのはフィッツジェラルドの文章があればこそ。
製作者たちもそのことは十分に認識していて、ニックのナレーションの中にフィッツジェラルドの文章を活かしている。
これはなかなか良かったと思いますよ。
<だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのように、絶え間なく過去へと押し戻されながらも。>(村上春樹・訳)
25年という狂乱の時代の最中に発表されながら、ここにある美しいセンチメンタリズムを僕は忘れられない。
この映画がそれを描けたかどうかは何とも言えないけど、「何か」を感じさせる後味はあるように思います。
ちなみにギャツビーの口癖の「old sport」は(定番通り)「友よ」と訳されておりましたが・・・これはやっぱり「オールド・スポート」としか言い様がないようですね、春樹サン。
そういう意味じゃ、字幕版を観るべきかもしれません。
(私は3Dが観たかったんで、吹替版にしましたが)