鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「成毛眞の超訳・君主論」

・成毛眞の超訳・君主論
著者:成毛眞
出版:メディアファクトリー新書



元マイクロソフト社長による「君主論」の解説本。
成毛氏自身は「古典を読む必要はない」というスタンスなんだけど、「君主論」だけは現代に通用するリーダーシップ論の「ノウハウ本」として評価しているらしい。(たしかに「君主論」の特徴は圧倒的な具体性だと思う。そういう意味では読む前に感じる「古典」という印象とはかなり違う肌合いがあるんだよな)
本書はそういう視点で、「君主論」のポイントについて解説し、併せて現代での「使い方」、現代における「君主論」の意義等を論じている。



まあ、成毛さんだからねぇ。
かなり身も蓋もないところも少なくないけど、「君主論」そのものがそういう本だからw。相性がいいってのもあるだろうね。
面白い出来になってると思うよ。



個人的には「君主論」のリーダーシップってのは確かに頷けるところも少なくないんだけど、強力なリーダーシップを行使することによる組織の自律性という点では若干の懸念を感じるのも事実。
「成果」だけを考えれば強権的なリーダーシップって言うのは効果的なんだけど、「継続性」が損なわれる可能性はあるからね。そういう例は結構身近に見てきたしw。
勿論マキアベリも成毛氏もそういう点は認識してるんだけどね。
ここはバランスの問題と言うところだろう。



ただ「君主論」の解説としては、あまりにも「入門編」過ぎる感じもあるなぁ。
もうちょっと読みたい気分になる。
塩野七生の「マキアヴェッリ語録」か「わが友マキアッヴェリ」あたりを読み返そうかなぁ。