鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

好感度は高いですな、こりゃ:映画評「クレイジー・リッチ!」

昨今の「成金中国人」を揶揄するようなコメディかと思ってたら…

全然違ってた!

 

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「クレイジー・リッチ!」


主人公の一族はシンガポール建国の裏立てのような歴史ある華僑の名家なんですな。

オープニングのどんでん返しの鮮やかさは気持ち良いです。


「クレイジー」とある通り、華僑の大富豪の、チョットタガの外れたようなパーティ三昧ぶりが描かれてるんですが、案外不快な感じはせず、「やれやれ」と苦笑まじりに楽しめる感じ。

ストーリー展開の軽快さもあって、嫌味はほとんど感じませんでした。


そして終盤の「麻雀対決」。

その「意味」を語らせない演出はクールです。

ま、思い返せば、

「なんでマージャンやねん」

ではあるんですがw。


ラストは「ラブコメの定番」ですが、定番はハマるとイイですからね~。

思わず拍手…でした。


アジア系俳優で、この王道コメディで、しかも「アジア系だけの映画」を感じさせない出来。

なるほど、大ヒットも分かりますわ。


しかしミッシェル・ヨー。

闘わんでも存在感満点。

惚れ直しましたw。

 

実際的「教養」という意味での「哲学」の整理:読書録「武器になる哲学」

・武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

著者:山口周

出版:KADOKAWA(Kindle版)

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山口さんの作品は、結構面白く僕は読ませてもらってるんですよね。


<世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?  経営における「アート」と「サイエンス」>

http://aso4045.hatenablog.com/entry/2018/08/02/092220


<劣化するオッさん社会の処方箋   なぜ一流は三流に牛耳られるのか>

http://aso4045.hatenablog.com/entry/2018/11/04/140847


本作は前2作に比べると、随分と題名が「普通」w。

でもやはり興味深く読むことができました。


まあジャンルとしては「哲学入門」。

ただ一般の哲学入門書とは違って、

「実用的である」

という点に焦点を置いて整理をしていて、そのため「歴史」じゃなくて、「効用」面から<人><組織> <社会><思想>というくくりでテーマをまとめ、概略的にではなく、「現代的な実用性」という点から50のテーマについて解説してくれています。


「実用」「効用」と言っても、「即座にビジネスに使える」っていうのとは、チョイと違うんですけどね。

「グローバルを視野に入れざるを得ない現代ビジネスにおいては、<スキル><知識>を道具として使えるだけではなく、人間的な<厚み>を備えなければならない」

すなわち、

「<教養>を身に付けることが、現代ビジネスにおいては<実用的>なのである」

ってことかと。

これは山口さんが他の作品でも仰ってることでもあるわけです。

そしてその「教養としての哲学・思想ワード」をピックアップしてるのが本書。


まあ知ってたからってビジネスに役に立つかどうかは、我が身を振り返ってもなんとも言えんけどw、ある種の知的活動をしてる人ならザッと概念は入れといたほうが良いのは確かでしょうな。

本棚に飾るんじゃなくて、自分の価値判断の一助として。

で、そういう意味じゃ、本書は興味深く、

退屈せずに読むことが出来ました。


自分の価値判断基準のチェックとしての一読をおススメいたします。

ストーリーは「まあ、こんなモンだよね〜」だけど:映画評「アクアマン」

予定してた飲み会が流れてしまったので、気になってたこちらを。

(「ボヘミアン・ラプソディ」は時間が合わなくて)

 

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「アクアマン」

 

物語は全体的に「予想の範囲」。

ネタが「アーサー王」なのは名付けにも出てるし、母親を巡る「サプライズ」も、全然サプライズじゃないw。

 

でも本作の場合、そう言うのはどうでも良いんですよね。

ストーリーそのものが「マクガフィン」と言えるくらい。

 

CGを駆使した海底世界観と、壮大で多彩なバトルシーン

 

全てはこのためにあって、それでもう満足…という感じですw。

ま、主人公はいいキャラだとは思いますが。

 

しかし世界的に大ヒットしてるんでしたっけ?

<『アクアマン』DCエクステンデッド・ユニバース作品で最大のヒット作に!>

https://www.cinematoday.jp/news/N0105998.amp.html

そこまでとは思わないんですけどね〜。

マーベルにしてもDCにしても、一定水準はクリアしてきますが、そのヒットぶりが中身に見合ってないような気もします。

 

余計なこと考えずに、楽しめばいい?

 

そう言われりゃ、そうですがねw。

 

 

 

 

ここら辺が迷うところ…。

病院の定期健診の待ち時間に読んだブログ・記事2本。

 

<私たちは本を"消費"しているのだろうか>

https://note.mu/inuro/n/n392b197a9a67

 

<MusicFMを使っている高校生が大人になっていく。>

https://note.mu/mihiro_blue/n/n8da9b360405a

 

僕自身のスタンスはある程度、あるんですが(「本」に関しては上記記事に近いスタンス。ストックは購入します。「音楽」に関してはApple MusicかSpotifyをつかい、MusicFMは使わない)、

「子供が使ってるのを見たら、どう言うべきか?」

について、「う〜ん…」。

特に「音楽」の方ですかね。(「マンガ」をYouTubeで見てるってのもあるけど、どちらかと言うとストック傾向があって、最近は購入メインになってるようです)

 

聴かれたら、

「Apple Musicをファミリー共有してるから、その範囲で。ないものはiTunesかCDで購入しよう」

って答えるかな。

上記の記事に佐々木俊尚さんが、

 

<音楽の違法アプリについて。でもこういう問題ネットの当初から、さらに遡ればカセットが出てきたころからだって繰り返されてて、呼びかけても効果は…。圧倒的に使いやすい合法アプリの普及のみが正解。>

 

ってコメントされてるけど、僕も賛成。

 

…ただnoteの書き手みたいな頑なさも、(「正しい」んだけど)チョットしんどい。

どっぷり音楽好きならこうだろうけど(書き手はそうですね)、間口で楽しんでるくらいの層だと、

「そこまでは…」

ってなる。

で、そう言う層を強く排除すると、裾野が狭くなって、ジャンルそのものが痩せて行くリスクも高くなる、と。

「本の中古流通」はそこに関係してるし(上記の記事もコメントしてます)、世界的な音楽ビジネスの流れ(ストリーミングの隆盛)はその認識の上に立ってる、と言うのが僕の理解です。

 

まあ、てな話を子供にもすればいいんでしょうが、親のゴタクなんか聞きたくないですわな。思春期の子供がw。

ここら辺は僕の音楽の「使い方」を見せながら、「な〜んとなく」感覚を共有できるようにして行く…って感じでしょうか。

すでに自分たちでプレイリストはガンガン作ってますがw。

 

本も音楽も「電子化」と「流通のあり方」(本の場合は電子書籍化と「値付け」、音楽の場合は電子配信とストリーミング対応)を業界として一歩進めるタイミングの崖っぷちじゃないかなぁ。

楽しませてもらったジャンルだけに、子供たちも楽しんでくれればな〜、と。

 

強制するもんでもないですがw。

 

(それにしても、健診の待ち時間が長い…w)

子供たちが写真編集を使いこなしている。

週末の神戸散策は、子供たちが初めて自分のスマホを持って外出する機会でもありました。

 

で、もちろんバシバシ写真を撮りまくってたんですが、こっちがどーこー言う前に、編集機能も勝手にドンドン使うようになってました。

 

 <息子>

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<娘>

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「自然さ」って言う意味じゃ好みはあると思いますがねw。

(僕はあまり使わない方が好きです)

 

ただこうやって自分で勝手に(時には子供同士で教え合いながら)使い方を覚えて、使いこなして行くってのが面白いなぁ…と。

突然、こんな「勝負」を投げ掛けられたりw。

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もちろんソコに「怖さ」も感じるんですが、それを言っても、子供たちは子供たちで先へ行っちゃうでしょうからね〜。

 

アブナイ橋を渡ってないか、親の方でも情報をアップデートしていく

 

当分はコレしかないと言うのが、やっぱり結論。

 

すぐに置いてかれるのは間違いないんだけど…。

 

とは言え、ココまで大変な話でもないですがねw。

<会社員の「学び直し」が人生100年時代の有効なキャリア戦略になる>

https://oreno-yuigon.hatenablog.com/entry/2019/02/25/095758

 

 

 

 

 

軽そうなノリで、意外と深い:読書録「セルフ・クラフト・ワールド01」

・セルフ・クラフト・ワールド01

著者:芝村裕吏

出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)

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「ゲーム」を題材にした小説を息子が好きらしいので、読んでみた作品。

オープンワールドのゲームでNPC(ノンプレイヤーキャラクター)が語り手になってる話で、彼女とプレイヤーとの恋愛物語

…というラノベのりかと思いきや、これがなかなか…。


「語り手」が「ゲームの住人」ですからね。

「誕生」してゲーム内時間で「4日」しか経ってなくて、基本的知識はゲーム世界の「常識」で…という視点から、

そのゲームの概要、人間世界における位置付け、ゲームの特殊性、プレーヤーたちの立ち位置etc,etc

みたいなものを、彼女のフィルターを通して理解して行くという、ちょいと捻くれた設定になっています。


ま、正直言って、

「こりゃ、ついてくの、しんどいな~」

ってとこもあったかな。

そこらへんをヒロインであるNPCの「ツンデレ」ぶりでなんとか、興味を引っ張るという…。

相手となるプレイヤーは、リアル世界では「70歳代」のようで、二人の掛け合いは僕は楽しめましたけどね。


どうやらこの「ゲーム世界」には人類の科学技術進歩にかかわる重大な秘密があって、その秘密を巡って国家間の争いさえある「裏設定」で、2巻以降(三部作のようです)ではそこらへんが描かれる模様。

それはそれで面白そうなんですが、このデコボコ・カップルの物語は一旦はここでまとまっているので、個人的には「すぐ次に」って感じでもないかな。

まあやっぱチョット「面倒」な感じはあったものでw。


息子に…とは思ってたんですが、こりゃチョット向いてないかも。

ま、一応オススメはして見ますけどね~。