・セルフ・クラフト・ワールド01
著者:芝村裕吏
出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)
「ゲーム」を題材にした小説を息子が好きらしいので、読んでみた作品。
オープンワールドのゲームでNPC(ノンプレイヤーキャラクター)が語り手になってる話で、彼女とプレイヤーとの恋愛物語
…というラノベのりかと思いきや、これがなかなか…。
「語り手」が「ゲームの住人」ですからね。
「誕生」してゲーム内時間で「4日」しか経ってなくて、基本的知識はゲーム世界の「常識」で…という視点から、
そのゲームの概要、人間世界における位置付け、ゲームの特殊性、プレーヤーたちの立ち位置etc,etc
みたいなものを、彼女のフィルターを通して理解して行くという、ちょいと捻くれた設定になっています。
ま、正直言って、
「こりゃ、ついてくの、しんどいな~」
ってとこもあったかな。
そこらへんをヒロインであるNPCの「ツンデレ」ぶりでなんとか、興味を引っ張るという…。
相手となるプレイヤーは、リアル世界では「70歳代」のようで、二人の掛け合いは僕は楽しめましたけどね。
どうやらこの「ゲーム世界」には人類の科学技術進歩にかかわる重大な秘密があって、その秘密を巡って国家間の争いさえある「裏設定」で、2巻以降(三部作のようです)ではそこらへんが描かれる模様。
それはそれで面白そうなんですが、このデコボコ・カップルの物語は一旦はここでまとまっているので、個人的には「すぐ次に」って感じでもないかな。
まあやっぱチョット「面倒」な感じはあったものでw。
息子に…とは思ってたんですが、こりゃチョット向いてないかも。
ま、一応オススメはして見ますけどね~。