鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

軽そうなノリで、意外と深い:読書録「セルフ・クラフト・ワールド01」

・セルフ・クラフト・ワールド01

著者:芝村裕吏

出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)

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「ゲーム」を題材にした小説を息子が好きらしいので、読んでみた作品。

オープンワールドのゲームでNPC(ノンプレイヤーキャラクター)が語り手になってる話で、彼女とプレイヤーとの恋愛物語

…というラノベのりかと思いきや、これがなかなか…。


「語り手」が「ゲームの住人」ですからね。

「誕生」してゲーム内時間で「4日」しか経ってなくて、基本的知識はゲーム世界の「常識」で…という視点から、

そのゲームの概要、人間世界における位置付け、ゲームの特殊性、プレーヤーたちの立ち位置etc,etc

みたいなものを、彼女のフィルターを通して理解して行くという、ちょいと捻くれた設定になっています。


ま、正直言って、

「こりゃ、ついてくの、しんどいな~」

ってとこもあったかな。

そこらへんをヒロインであるNPCの「ツンデレ」ぶりでなんとか、興味を引っ張るという…。

相手となるプレイヤーは、リアル世界では「70歳代」のようで、二人の掛け合いは僕は楽しめましたけどね。


どうやらこの「ゲーム世界」には人類の科学技術進歩にかかわる重大な秘密があって、その秘密を巡って国家間の争いさえある「裏設定」で、2巻以降(三部作のようです)ではそこらへんが描かれる模様。

それはそれで面白そうなんですが、このデコボコ・カップルの物語は一旦はここでまとまっているので、個人的には「すぐ次に」って感じでもないかな。

まあやっぱチョット「面倒」な感じはあったものでw。


息子に…とは思ってたんですが、こりゃチョット向いてないかも。

ま、一応オススメはして見ますけどね~。