日曜に、原作を読んでいる妻と娘と一緒に観に行きました。
我ながら勇気のあるw。
「フェミニズム」をめぐって、韓国で議論を巻き起こした原作の映画化ですからね。
でも「いい映画」だったと思います。
退屈しなかったし。
「悪い人」はいない。
いないんだけど、ヒロインは徐々に追い詰められて行って、出口がなくなる。
…って、ある意味「息苦しい」ストーリーを「観せる」出来栄えは、評価に値すると思いますよ。
映画館に行くのは実に実に久しぶり(2月以来?)。
エキスポシティの109は「鬼滅の刃」一色でw、この映画の上映も昼の回一回だけでした。
男子トイレで中高生が「厨二病」トークに染まってるのが面白かったですw。
でもこの映画も結構お客さんが入ってて、ちょっと安心もしました。
<以下、ネタバレがあります。観る予定がある方は読まないでください>
原作を読んだとき、
「これを広い層に訴えるなら、思い切ってコメディにしてもいいんじゃないかな?」
と思ったんですが、流石にソレはやってませんw。
割と丁寧に原作を拾いながら、それでも間口は広く、説教臭くならないエンタメ的な作りも盛り込んでて、なかなかいい手腕だなぁと。
長編映画第1作にしては、大したものです。
一方で原作への改編も意識的に加えられています。
一番はラストですよね。
診察していた医師のエピソードで失望と皮肉を提示した原作に比して、本作では「希望」が描かれます。
カフェで揶揄する客に対してヒロインがぶつける啖呵は中々爽快。
そこから彼女は「一歩」を踏み出します。
この「一歩」が「小説を書く」と言う個人としての創作活動(それがヒロインの昔からの「やりたいこと」ではあるにせよ)になってる点が、僕としては「どうかな?」って感じはあったんですけどね。
それって、結局「自分の力で頑張るしかない」ってことにならないかなぁ…と。
もちろんパートナー(コン・ユが演じてます)との協業があってのこと…って表現はあるんですが、なんか「できる人はできるけど…」みたいな…。
作品としての「オサマリ」は確かにいいんですけど…。
ここ、今もモヤモヤ・ポイントになってます。
男性陣は、まあ「どうしようもない」。
ヒロインのお父さんとかねぇ…。
無茶苦茶影の薄い、お義父さんよりは、扱いはマシかもしれませんが。
それが「個人」としての<どうのこうの>ではなくて、社会的構図からそうできあがっちゃってると言うのが何とも言えないところです。
コン・ユは、まあ「いい旦那さん」なんだけど、それでも(それ故?)ヒロインを追い詰めてもいくわけですからね。
女性は共感する映画なんでしょうか?
でも見るべきは男性の方かも…って言うのが観終わっての感想です。
口籠っちゃうかもしんないけど。