鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「選択」の物語:読書録「遠すぎた星」「最後の星戦」

・遠すぎた星 老人と宇宙2

遠すぎた星 老人と宇宙2 (ハヤカワ文庫SF)

遠すぎた星 老人と宇宙2 (ハヤカワ文庫SF)


・最後の星戦 老人と宇宙3

最後の星戦 老人と宇宙3 (ハヤカワ文庫SF)

最後の星戦 老人と宇宙3 (ハヤカワ文庫SF)


著者:ジョン・スコルジー 訳:内田昌之
出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)


「老人と宇宙」シリーズの第2作・第3作。
シリーズは5作まで発表されてるけど、一旦はこの三部作で完結し、4作目は「外伝」で、5作目から新シリーズ…となってるようです。


まあ、面白かったです。
1作目の主人公が登場しない2作目が「どうかなぁ」と思ってたんですが、ここで物語上の大きな「仕掛け」を振って、3作目で「大団円」に持ち込む構図は大したものです。
キャラとしては、やっぱり「ジョン・ペリー」(1・3作の主人公)がよくできてますが、ちょっと「出来過ぎ」なところを、皮肉な「世界観」と、現状を否定する「選択」という構図にすることで、作品に「深み」を持たせています。
ま、「深み」ったって、ミリタリーSFであることには変わりないんですけどねw。


そして1作目が「夫婦愛」の物語だったのに対して、2作目が「親子愛」、そしてラストが「家族愛」「同胞愛」という流れ。
やっぱ1作目のラストが一番好きですが、2作目・3作目ともに「後を引く」ラストになってます。
新シリーズはこの家族たちはメインの登場人物じゃないようですが、ちょっと勿体無いような…。
ただこのラストを考えると、「めでたしめでたし」にしたいのも分かりますね。


…というわけで、続きを読むべきかどうか。
思案中です。