鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「クラウドの未来」

・クラウドの未来 超集中と超分散の世界
著者:小池良次
出版:講談社現代新書(電子書籍)



シリコンバレーに済むITジャーナリストが、「クラウド」の現状から、今後10年程度の未来を中心に、クラウドが社会やビジネスに及ぼすであろう影響について考察した作品。
「通信」絡みのところを中心に技術的な話も多く、そこらへんは「はぁ・・・」って感じw。
ただ全般的にアメリカでの具体的な事例を踏まえ、日本の現状や政策、事業者のアクション(主にNTTとSoftBank)等に照らし合わせて論述してるので、リアル感は結構あった。
「アメリカ万歳」って感じじゃないのもイイね。
こう言う広いスパンにたった意見が政策に採用されることが今後は必要なんだろうなぁとも感じた。
それは「リスクを取る」ってことでもあって、日本の、特に政治家・官僚には避けられる方向性でもある。
ただもはや「成長性」ってのはそっちにしかないんだよね。


「成長しなくてもいい」?


二極化はそう言う曖昧なスタンスが認められない現実を反映しているし、それは今後もっと強く出てくるんじゃないかと思う。
少なくともITの世界はそうだろう。


「クラウドの未来」を、
ビッグデータを集積し、その分析や活用を行う「超集中」の部分と、
ユーザーに近いところで、ユーザーフレンドリーなデバイスが活用される「超分散」 によって構成される世界
として本書は定義してるんだけどこれは実にわかりやすいね。
その視点に立った時、必要とされる「通信」の世界ってのは、やはり「無線」。
この部分での争いはすでに激しいものがあるけど、そこに政策的な後押しが必要ってのが作者のスタンスであり(多分、だけどw)、僕もそう思う。
まあプライバシーのことを考えると怖くなる部分はあるんだけど、個人的には「超集中と超分散」の世界って、結構ワクワクするんだけど、これって変かね?w


本書の見たてによると、今後5年から10年位、そっから先の世界ってのは、かつて語られてた「ユビキタス」の世界が実現しそうだ。
そう言う社会をこの目で見たいってのが僕の感想。


何か政治が足を引っ張りそうな雰囲気もあるけどねぇ・・・。