鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ソーシャルネイティブの時代」

・ソーシャルネイティブの時代 ネットが生み出した新しい日本人
著者:遠藤諭
出版:アスキー新書(Kindle版)

ソーシャルネイティブの時代 ネットが生み出した新しい日本人 (アスキー新書)

ソーシャルネイティブの時代 ネットが生み出した新しい日本人 (アスキー新書)



最近ネットで読んだ記事で、
「スティーブ・ジョブズは自分の子供にiPhoneもiPadも与えていない」
みたいな記事がありました。
「なるほどな」とは思います。
ネットの情報ってのは「玉石混淆」。その中から「玉」を見出すのに「ITリテラシー」が必要なんですが、そのベースは「教養」や「常識」「批判的精神」だったりするんですよね。
ジョブズや我々の世代がそう言うスタンスを培ってきたのは「ネット世界」じゃありません。そんなもん、ありゃしませんでしたからw。
だから彼が自分の子供にデバイスを与えることを躊躇あるいは制限してたってのは、よく分かります。僕自身、そういうスタンスでやってますよ。



ただ、それも「ネットがない世界」が一般的だったからってのもあるんですよねぇ。
これだけITが日常世界に食い込んできて、ネット環境が一般的になり、アルゴリズムの進化により「玉」を見出す確率が高くなってくる中で、果たしてどのようなスタンスで子供とネット環境・ITデバイスの距離を図るべきなのか。
悩みどころです。



「子供にPCなんか」
と思ってましたけど、塾の進捗確認やテスト結果、補習なんかのためにPCが必須となって、小4の息子にPCを用意せざるを得なくなりました。
勿論、利用制限はしてるんですが、あっという間に使えるようになってます。ローマ字入力もいつの間にか覚えてますしねぇ。
「携帯電話」も結局習い事の送り迎えの調整のために「お子様携帯」を購入。教えてもないのにCメールを送って来て、ビビりました。
「デジタルネイティブ」ってのは特殊な存在じゃなくて、こんな風に簡単に一歩踏み出せちゃうんだなと、実感しています。
それを考えると、ネットやITから「無理をして」隔離することが、逆に社会への順応性を失わせるんじゃないか、と。
未だ「制限派」ではあるのですが、正直悩んでる面もあります。



本書はソーシャルメディアが一般化されるタイミングで行った調査結果をまとめた作品。11年の調査ですから、古くなってるところも少なくないです(「セカイカメラ」とか)。でも全体的な方向性を考える上においては、悪くないんじゃないかなと思いました。
20代を「オタク」という言葉で総括するあたりに確かに感覚の古さも見えますが(「ビンボーハッピー」とかw)、その感覚のギャップ自体が重要なんじゃないかとも感じます。



11年以降の流れだと、スマホのさらなる一般化とクラウドサービスの急速な進展でしょうか?
この流れはネットと人間の関係性を更に変えていくんじゃないですかね。
その観点からも、こういう調査が継続され、発表される必要性があると思いますよ。
その先に「幸福な関係」があるのかどうかは、なんとも言えませんが。