鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「ありがち」ですが:読書録「パリ警視庁迷宮捜査班」

・パリ警視庁迷宮捜査班

著者:ソフィー・エナフ  訳:山本知子・川口明百美

出版:ハヤカワミステリ(Kindle版)

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問題児ばかりの警察官を集めて捜査班を作り、「迷宮事件」捜査をあてがって厄介払いしたつもりが、意外にも…

 


ってのは、最近では「ありがち」な設定w。(「特捜部Q」とか)

「意外な犯人」の方も、まあ…

なんですが、結構楽しめました。

「定番」には「定番」の楽しみってのがあるんですよね。

 


もちろんそれも書く側の「腕」あってこそでしょうが、本作についてはそれも「◯」。

シリーズ化されたようですが、頷けますし、読んでみたいなと思います。

(捜査班を率いるトップは37歳の女性警視正。

個人的には勝手に「天海祐希」をあてて読んでましたw)

 


作中、何度か「ノートルダム大聖堂」の描写や言及があります。

パリの描写には欠かせないものなんだってことを再認識するとともに、

「燃えちゃったんだよなぁ…」

と感慨深く。

(見たこともないくせにw)

<余話>キレイな殺し屋のオネーさん

…と言えば、上條淳士氏の「SEX」のユキ。

なかなかコミックス化されなくて、一時期は雑誌のコピーを持ち歩いておりました。

(その後、色んなバージョンのコミックスが出版されましたがw)


トレースした「ユキ」。

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…いやぁ、好きやわぁ。

「続く」?:映画評「MARIA」

Netflixのオリジナル。

フィリピン映画だから、現地では公開されたのかな?

 

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「MARIA」

 

引退した元・殺し屋が、愛する家族(夫と娘)を殺されて、復讐のために…

 

と言うありがちな展開w。

その「殺し屋」が「キレイなオネーさん」ってのが売りでしょうか?

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嫌いじゃない。

嫌いじゃないんだけど、どっかシャープさに欠けるんですよね〜。

ストーリーも映像も、アクションも。

そこを、

「いや、オネーさんがキレイだからOK」

と思えるかどうかで、評価は分かれる作品かとw。

 

ラストは、

「え?」

の引き。

 

となると、「続編」がある?

 

う〜ん、みるかどうかは、微妙かなぁ…。

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題名に偽りあり?:読書録「アダム・スミスはブレグジットを支持するか?」

・アダム・スミスはブレグジットを支持するか?  12人の偉大な経済学者と考える現代の課題

著者:リンダ・ユー  訳:久保恵美子

出版:早川書房

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現代の経済的難問に、過去の偉大な経済学者たちはどう答えるか?

 

まあ、そう言う本です。

「経済学」ってのは<人の営み>を対象としているだけに、どうしても「時代」や「環境(場所)」の制約に縛られる。

たしかに「偉大」なのかもしれないけど、だからと言って、「今」の問いに答えを導き出せるわけが…

と言う見方もあるでしょうが、例えばケインズはこう言ってます。

 

<経済学者や政治哲学者の思想は、それが正しくても誤っていても、一般に考えられているより強力である。むしろ、それ以外に世界を支配しているものなどほとんどない。自分はいかなる学問的影響も受けていないと考えている実務家たちは大抵、すでに亡くなった経済学者の奴隷になっている。天からの声を聞いている狂った権力者らは、数年前に論文を書き散散らしていた学者からその狂信的な考えを受け継いでいるのだ。思想が徐々に人を侵食する力に比べれば、既得権益の力は大きく誇張されていると私は考える。>

 

「キャッシュ国家」の感想のところにも書きましたが、現在の中国の経済戦略にはシュンペーターの考えが反映していると思われますから、この指摘にも納得感があります。

(それが「狂信的な考え」かどうか分かりませんがw)


<キャッシュレス国家>

http://aso4045.hatenablog.com/entry/2019/05/17/120753


本書で取り上げられてる「偉大な経済学者」と、与えられた「問い」は以下。


アダム・スミス「政府は経済のバランスを調整すべきか」

デヴィッド・リカード「貿易赤字は重要な問題か」

カール・マルクス「中国は富裕国になれるのか」

アルフレッド・マーシャル「格差の発生は避けられないのか」

アーヴィング・フィッシャー「1930年代が再来するおそれはあるのか」

ジョン・メイナード・ケインズ「投資をすべきか、控えるべきか」

ヨーゼフ・シュンペーター「何がイノベーションを促進するのか」

フリードリヒ・ハイエク「金融危機から何を学べるか」

ジョージ・ロビンソン「賃金はなぜこれほど低いのか」

ミルトン・フリードマン「中央銀行は仕事をしすぎているのか」

ダグラス・ノース「なぜ豊かな国はこれほど少ないのか」

ロバート・ソロー「低成長の未来がやってくるのか」

ポール・サミュエルソン「グローバル化への反発にどう対処すべきか」


作者はそれぞれの学者の人生を追って、彼らの「時代的場所的制約」を明らかにしつつ、導き出されている一般性から問いへの答えを模索します。


<偉大な経済学者たちの人柄はそれぞれ大きく異なり、経済の仕組みに関してその意見が鋭く対立することもあったが、似ている点も多かった。中でも重要なのは、彼らが最大の経済問題に取り組むために一般的なモデルを考案したことである。だからこそ、彼らの思想は現在でも有意義なのだ。彼らの人生や研究が残したものは、当時も今も、思想がつねに社会に永続的な影響もたらしてきたことを証明している。>


…とか言って、改めて一覧を眺めてみると、


「さて、その答えってどうだったんだっけ?」w


いや、読んでる時はすごく興味深かったし、わかったような気にもなってたんですけどね〜。

まあスパッと「コレ」って感じじゃなかったのはたしかですが。


基本的には、

「自由主義的なスタンスから、グローバル化と貿易の自由化は進めていくべき。ただし国家の制度・成り立ちによって差が出てくることに配慮しなければならないし、国内における格差問題にも目を配る必要がある」

って感じでしょうか?

えらいザクっとやし、間違ってるかもしれんけどw。

(経済学的なスタンスはどうしても「自由主義的」になるでしょう。ただ現代はそこの<政治的><社会的>要因が入らざる得ない/考慮すべき時代。

もっともそうあるべきでしょうね。「ヒトの営み」を扱う以上は。

我々は「長期的にはみんな死んでいる」存在。重要なのは「中期的・短期的」な解決です)


ちなみに題名に対する「答え」はありません。

というか、「問い」すら立てられてないw。(原題は「The Great Economists」やし)

アダム・スミスのスタンスから考えたら「ネガティブ」でしょうがね。

インパクトのある訳題だし、僕もそこに惹かれて購入したんですがw、これはちょっとどうかなぁ、と思わなくもありません。

いい本だけにね。


しかしまあ、振り返れば自分の不勉強さも痛感しますわ。

なんとか挙げられてる経済学者の<名前>くらいは記憶のカケラがありましたが、主張の中身については6、7割って感じ?w

別に学者じゃないんで、良いんですが、それにしてもね。


「これから」を考えると、

資本主義のエンジンである「イノベーション」を国家戦略として推し進めようとしている中国の成長がどうなるか、

それに対する米・EUの保護主義的な動きが世界経済をどういう方向性に導いていくことになるのか、

その狭間での「日本」における成長戦略の推進は上手くいくのか…

(存外、今の日本の経済政策は評価されています)

「お先真っ暗」な感じじゃぁないと、個人的には感じてるんですが、さてどうでしょうか、アダム・スミスさん。

スマホ戦線:音楽はもう完全に分断状態w

娘の中学入学に合わせて導入した「スマホ」。

バシッとルールを決めて持たせたんですが…その後色々ルール変更しておりましてw、未だ「On The Way」。

ここら辺はまた、まとめて書くこともあるかも…。

 

スマホを持たせたことに伴って、大きく変わったことの一つが各自の「音楽事情」。

それまでは(iPadでYouTubeで聴いてはいましたが)自分に比べたら、

「あんまり聴かんね」

と思ってたんですが、自分のスマホを持つようになったら、聴くこと、聴くことw。

基本的にスマホを持ってる時は、イヤフォンつけて音楽流しっぱ〜って感じになってます。

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勉強も息子は完全に「ながら族」。

娘は割と学校で自習して帰ってくるんで、その間は聴いてませんが、家ではやっぱり「ながら」。

…まあ完全に僕が「ながら族」ですからね〜。


で、それぞれ聴いてるものですが…

息子と娘に共通するのは「米津玄師」「あいみょん」「SEKAI NO OWARI」あたりかな。

加えて、


息子:black number、RADWIMPS、ボカロ系、アニソンetc,etc

娘:すとぷり、HoneyWorks、天月、TWICE等のK-POP etc,etc


割と「そんなとこかなぁ」系w。

洋楽は聴きませんな、二人とも(まあK-POPをどう位置付けるかってのはあるけどw)。これはちょっと残念。

僕がApple Musicをファミリーにしてるので、そこで自分でプレイリストを作ったり(時々ストリーミング配信されてないのの購入を頼まれたりしてます)、YouTubeで流しっぱしたり…って感じです。


最近は車に乗っても、僕が車中で流してる(iPhoneをBluetooth接続している)音楽は無視して、それぞれが自分のスマホの音楽をイヤフォンで聴いてます。

(一時期、山下達郎を流しすぎて、「飽和してる」と不評を買った経緯ありw)


我が家の音楽事情は斯くも分断の危機に…


まあ、いいんじゃない?


僕だって、親の聴いてた曲に影響されてたのって、ほとんどないもんw。

(ま、サラリーマンになった頃のカラオケ接待のラインナップではお世話になりましたが)

だから僕は僕で好きなの聴いてくし、子供たちは子供たちで好きな音楽を聴けばいいやん…と。


しかし良い時代だよなぁ。

聴きたくなったら、ストリーミングやYouTubeで殆どコストかけずに、自分の好きな音楽を、いつでもどこでも聴くことができる。

そこから何が生まれてくるのか…。

これまた、楽しみです。

(なんで、結構新曲チェックもしてたりしますw)

創造的破壊は中国で稼働するか?:読書録「キャッシュレス国家」

・キャッシュレス国家  「中国新経済」の光と影

著者:西村友作

出版:文春新書

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中国で大学教授をされている作者が、現在の中国都市部で広がっている「キャッシュレスサービス」の実態や、スマホを中心とした新しいビジネスの活況状況を、具体的に紹介してくれる一冊。

サービスには結構外国人が使えないものも多いらしくて、そこらへんは自分の講義を受けている学生なんかにも教えてもらいながら紹介してくれています。

この具体的なところが、まずイイですね。

断片的なところは知ってることも少なくないですが、それがコレだけ広がってて、かつアレもコレもと次々出てきてる様子には、やっぱり圧倒されます。


それに加えて、個人的には「中国の資本主義戦略」と言う観点でも面白かったです。

これはたまたま並行して読んでいる「アダム・スミスはブレグジットを支持するか?」で、シュンペーターの章を読んだところだったから。


<イノベーションは経済成長のエンジンであり、ヨーゼフ・シュンペーターが述べたように、資本主義経済におけるイノベーションは「永遠に続く創造的破壊の嵐」である。シュンペーターの見解では、新技術の導入とともに経済は長期的に循環し、そのいっぽうで既存の技術は陳腐化していく。そして、この新技術こそが経済成長を促進しているのだという。>(「アダム・スミスはブレグジットを支持するか?」第七章)


この「資本主義エンジン」としてのイノベーションを、中国は「国家として」誘導しているのではないか…と言うことですね。


<「創発」(イノベーション)

2017年10月、中国共産党第19回大会の約3時間半にもおよんだ開幕演説で、習近平国家主席が57回も口にした言葉である。特に経済分野においては、「イノベーションは発展をリードする第一の原動力であり、現代化経済システムを構築する上での戦略的支柱である」と強調した。>(本書)


「創発」のことは新聞記事で読んでましたが、その時の印象は、

「経済成長率が落ちてきたから、他のところに目を逸らそうとしてるんちゃうん?」

くらいの印象でしたが、シュンペーターの主張を考えると、マジで「資本主義エンジン」を稼働させようとしてるのかもしれん。

共産主義国家が。


しかもシュンペーターの時代には「製造業」がメインだったものが、今の先進国では「サービス業」がメインとなっている(「アダム・スミスは〜」においても、ここら辺の産業構造変化の読み替えは重要ポイントの一つです)。

本書で事例としてあげれらている「スマホ」や「キャッシュレス」を各とした「新ビジネス」の多くは「サービス業」です。

とすると、中国がやろうとしているのは「サービス業におけるイノベーションをエンジンとした資本主義の発展」…と言う新たなステージなのかも…。


まあ「信用保証システム」に対する気持ち悪さとか、共産党独裁の不透明さ・恣意性への懸念なんかはやっぱり拭えませんが、「国家」としてかなりチャレンジングなことをやろうとしてるのは確かじゃないかな〜と。

13億とも14億とも言われる巨大な国内市場が、その「実験」を可能としてると言うのもあります。

(「実験」は失敗する可能性もあって、それが「文化大革命」の悲劇だったりするわけですが、今回の実験は「資本主義の推進」として行おうとしている分、悲劇的失敗の公算は低いような気がします(経済の分野では))


どうなるかは分かりません。

でも「数多くの失敗の中からイノベーションを生み出し、資本主義を推進する」という「資本主義の王道」を中国が進めようとしているのは確かじゃないかなぁ。


<中国流ビジネスモデルが日本でコケるワケ>

https://president.jp/articles/-/28651


こう言う記事も分かるし、頷けるところもあります。

ただそれ以外の視線も必要なんじゃないか、と思う次第。


じゃあ、日本の状況が悲観的かと言うと、そう言うところに気がついて、そこを突破しようとする動きも見えて来てはいるように思いますがね。


問題は「スピード感」。

これは毎度の話。

キーは「5G」ですな。(だからファーウェイを巡って米中が…ってのも)


楽しみでもあり、不安でもあり…。