鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

E.R.バロウズ作品の映画化は、どうも…:映画評「ターザンREBORN」

10代前半、E.R.バロウズを読み漁ってました。
火星シリーズ、ペルシダー、そしてターザン。
おかげで「真っ当な」SF少年にはなり損ねましたが、幸せな読書経験でした。
中でも一番好きなだったのは「ターザン」。
一作目は今でも生涯ベストの中に入る作品かもしれません。


でも「映画化」となると…。
意欲的だった「ジョン・カーター」(火星シリーズ)の大コケは有名ですが、「ターザン」の方も今ひとつです。
かつての「アーアー、アー」は全く原作とは「別物」ですし、クリストファー・ランバートの「グレイストーク」は格調高すぎw。ディズニーの「ターザン」はいい線いってますが、子供向け。
じゃあ、これは…と期待したんですが…



「ターザンREBORN」


「本筋」をカットバックで描くという構成は悪くないかもしれません。
割と王道で行った「ジョン・カーター」がテンポ悪いのが最悪だったように、時代はペースが上がってますからね。でもその割にテンポがやっぱり…。
史実と絡めた設定もどうなんですかね?もっと「娯楽」に徹すりゃいいのに。
「ターザン」の基本は「のし上がり」と「貴種流離譚」(ようは「変身」)なんですよ。
臆面もなくそれをやって、原作ラストの「シニカルさ」を差し入れてくれれば、それでOKなんだけどなぁ。


まあ、こういうのを正面切ってやれる時代じゃないってことですかね。
せっかくのS.L.ジャクソンもクリストフ・ヴァルツも活かしきれておらず、「残念感」漂う作品でした。個人的には。


劇場にいた、母親と来てた少年が出かけに一言。
「面白かったねぇ!」
ま、それならそれでいいのかな。
少年よ。ぜひ原作を読んで!(あ、絶版かな?)