鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ブラックライト」

・ブラックライト<上・下>
著者:スティーブン・ハンター 訳:公手成幸
出版:扶桑社BOOKミステリー(Kindle版)

ブラックライト(上) (扶桑社BOOKSミステリー)

ブラックライト(上) (扶桑社BOOKSミステリー)

ブラックライト(下) (扶桑社BOOKSミステリー)

ブラックライト(下) (扶桑社BOOKSミステリー)



「極大射程」に始まるスワガー・サーガ第3作。
シリーズとしては間に「ダーティホワイトボーイズ」が入ってるんですが、若干「番外編」的な位置付けでもある第2作はスルーして、いきなり3作目に飛びました。
(2作目はネット情報であらすじチェック。
ずるい?
まあ、そうなんですが、ゆっくり読む時間もないものでw)


前作は大統領暗殺未遂犯に仕立て上げられた「ボブ・リー・スワガー」の苦闘と壮絶な反撃を描いていましたが、本作でボブは若くして死んだ父親の死の真相に向き合うことになります。
真相が暴かれることを面白く思わない勢力がボブを襲撃し、その撃退の過程から「真相」に一気に迫っていく…。
ま、そんな話です。
プロが衆をなして迫ってくるけど、鮮やかに撃退…ってのは1作目と同様の展開ですな。(面白いけど)


本作のポイントは「父と子」。
メインストーリーの核となるボブと父・アールに重なって、犯人とその父、ボブの相棒とその父…という父子関係が描かれ、最後に前作につながる「父子」が…。
ま、ここが前作がシリーズに組み込まれている所以なわけですなw。


アクション小説としては「極大射程」の方が出来は上でしょうね。
ただ「父子」という関係性に焦点を当てることで、本作が「ボブ」「アール」という二代にわたる(三代目も登場してるようだけど)「スワガーサーガ」のベースとなったというのはあるかもしれません。
それが良かったのかどうかは何とも言えませんが。


相変わらずのマッチョぶりには依然、違和感を感じておりますが(しかもそれがアール、ボブと、二代にわたるw)、作品の推進力は流石だと思いますね。
前作のラストで鮮やかな逆転劇を演じてくれたサム・ヴィンセントの「その後」にはシミジミ…。


次の「狩りのとき」で、ボブを主人公とするシリーズはひと段落。
さて、どんな区切りを見せてくれるんでしょう?