鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「采配」

・采配
著者:落合博満
出版:ダイヤモンド社(Kindle版)



セリーグは巨人が優勝しましたな。
元・阪神ファンとしては(もう選手も分からなくなって来ちゃったんで「元」)悔しい限りですが、ここまで見せつけられちゃうとねぇ。
CSシリーズに期待。
・・・だけど、ここは広島が面白そうだし・・・w。
それにしても「中日」はどうしちゃったんでしょう・・・と言うことで前監督の著作。
Amazonの日替わりセールで大幅ディスカウントされてたもんで。
何かAmazonの思惑にハマりっぱなしなような気もしますが・・・。



落合は現役時代から好きな選手だったんですよね。
それは監督になっても同じで、「中日」というチームは好きになれないのに、監督は好き・・・という状況だった。(長嶋巨人の時もそうだったけど)
あの「一匹狼」っぷりが好きなんだよね。それでいて、どっかユーモアが漂うあたりも。
「自分が分かってる」って感じがあって、そこに知性を感じるというのもあるかな。



で、本書なんだけど、中身の濃さにびっくり・・・ってのが一番の感想。
プロフェッショナルを率いて成果を上げていく。
こういう観点ではかなりレベルの高い内容なんじゃないかと思うよ。「ビジネス書」ということも意識して書かれてるけど、確かに通じるところが大いにある。何度も頷かされながら読み終えました。



勿論「会社組織」の場合、「プロの集団」とは言い切れない側面もあり、その中で如何に「育てるか」あるいは「適材適所を考えるか」って部分では、より幅広い視点が求められる面もあるだろう。でもここまで意識的に「チーム(組織)」を考えるという点では、参考になる面は少なくない。
・・・っつうか、中々ここまでは考え尽くせられないってのがホントのとこじゃないかなぁ。
ま、僕が考えたりないだけとも言えるけどw。



個人的にはWBCに中日の選手を派遣しなかった件だけは納得行かないところがある。
本書ではその件にもふれられていて、「契約」「個人事業主」という切り口で抗弁してるけど(これは対「中日」への考えもあったのかもしれないけど)、それだけじゃちょっと納得しきれなかったな。
まあもっと「契約」を整備すべきだ・・・ってのはもっともな主張ではあるけどね。



なんにせよ、予想以上に「内容の濃い」作品だったのは確か。
落合嫌いには受け入れ難いかもしれないけど、現在の野球界における論理的思考の到達点と言っても過言じゃないかも、です。
一読の価値は間違いなくあると思うね。



さて、今後、落合がユニフォームを着ることはあるのか?
まああるだろう。
その際には是非とも「阪神に」。
・・・というのは元・ファンとしての希望です。
無理かなぁ・・・。