鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「インターネット的」

・インターネット的
著者:糸井重里
出版:PHP新書(Kindle版)



一番驚くのはコレが10年以上前に書かれていること。(出版は2001年)
「ほぼ日刊イトイ新聞」を始めて、インターネットとの付き合い方や、インターネットの持つ可能性、更には本質について考察した作品なんだけど、驚くほど本質的なところをついていると思う。
時代はさらに変転して、今やインターネットへのアクセスはPCに縛られないものとなり(特にスマホの存在が大きい)、SNSの急速な広がりによって、インターネットが持つ「人と人とのつながり」へのインパクトが顕在化している。
ここら辺って、本書で糸井氏が論じていることに間違いなくつながってるよなぁ。
「ロングテール」が小売業に与える影響なんかにも言及されてるけど(ここら辺は「ほぼ日」の物販ビジネスに繋がってて、糸井氏はシッカリ実践もしてることになる)、日本で「ロングテール」が言われるようになったのって本書よりも後じゃない?



そう言う意味で糸井氏のネット本質に対する慧眼ってのは本当に大したものだと思う。
ある意味、「時代が追いついた」ってことだと思うけど、読んでて古びた感じがしないってことは、まだまだ「先」に行ってるところがあるってことだろう。
人間性や社会に対するインパクトのあたりがソレかな?
何にせよ、未だに読むに値する作品だと、僕は思ったよ。



正直、最近僕は「ほぼ日刊イトイ新聞」読むことは少なくなってる(多分、一年以上は見てないな)。
一番の理由は、僕自身がネット接続するツールとしてiPhone中心のスタイルになってしまい、スマホだと「ほぼ日」をコンテンツを横断しながら楽しむってのが、ちょっとし辛いってのがあるんだよね。
なんだかんだ言ってもほぼ日のコンテンツって「濃く」て、それだけに隙間時間で読み飛ばすのには向かない印象がある。(勿論、今がどうなのかは分かんないけど)
糸井氏のTwitterはフォローしてるんで、全く縁が切れたって感じもないんだけどね。



ただ本書を読んで、久しぶりにもう一回覗いて見たい気分にはなってます。
週末、時間を見て覗いてみるかなぁ。



そしてもう一つの「驚き」。
多分僕、これを出版された時に読んでるワw。
最後まで読んで「ありゃ?」…と。
うーん、何か糸井重里の掌の上でこの10年ほどをウロウロしてたような気が…。