鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「99%対1%アメリカ格差ウォーズ」

・99%対Ⅰ% アメリカ格差ウォーズ
著者:町山智浩
出版:講談社



オバマ政権の誕生から現在(二期目の投票直前)まで、アメリカの状況について都度都度書かれた記事を時系列に並べた作品。
希望とともにスタートしたオバマ政権が、ティーパーティーやら何やらによって振り回され、アメリカ全体がなんだか妙な風になって来てる状況が描き出されている。



町山智浩のスタンスはかなり民主党よりなので、結構なバイアスかかってること確かだと思うけど、それを割り引いたとしてもアメリカの保守層の奇妙ぶりはよく分かる。
僕自身は、
「この奇妙ぶりをアメリカ人自身はよく分かってないんだろうか」
と思ってたんだけど、その根本に人種差別的な発想があるとするならば、これは結構根深いのかもしれない。
そうじゃないと説明しづらいところが確かにあるからなぁ。



その一方で、日本との関係においては、変革を掲げたオバマ政権が、同じく変革をもたらした鳩山政権と全く意思疎通できなかったというのが皮肉ではある。
これは「アメリカの国益」という視点から見ると、民主党/共和党にかかわらず、こういう風になるんだね。
「アラブの春」に対してアメリカが明確なスタンスを取りきれないというのもその証拠かもしれない。
あんまりそういう考えに囚われると孫崎史観になっちゃうかもしれないけどさ。w



本書で取り上げられている流れの後に、ロムニーの失言が重なって、現状はオバマ再選の目が強くなっているという状況かな。
アメリカ社会という点ではその方がまともな状況になるんじゃないかって気はしないでもない。
それが日本にとってどうかというのとは、また別なんだろうけど。



折しも自民党の新総裁に安倍晋三が復帰。
吉なのか凶なのか…。