鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

相変わらず読ませるなぁ:読書録「スキン・コレクター」

・スキン・コレクター
著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子
出版:文藝春秋(Kindle版)

スキン・コレクター

スキン・コレクター


「ボーン・コレクター」からスタートしたリンカーン・シリーズも「20周年」とか。
で11作目の本書で、その「1作目」との関連を思わせる事件を取り扱う。
...いやぁ、さすがディーヴァー。サービス満点です。
そしてそれが単なる「サービス」で終わらず、ちゃんと「驚きのどんでん返し」につながる。
「どんでん返し」はディーバーのトレードマークで、そのことが分かっていながら感心させられるんだから、もう毎回脱帽せざるをえません。
シリーズものはどうしても「どんでん返し」に限界がありますが(アメリアが退場することはありえないでしょう)、それでこの水準なんですからね。


本作では「ボーン・コレクター」にインスパアされた「らしき」犯人が登場します。
ストーリーが展開するにつれて「どんでん返し」があって、
「おお!」
と思いつつも、一抹の不満を感じたりしてたところに、終盤さらに「オオっ!!」。
「蛇足」と思えた展開が実は...ってのは最近のパターン?
いやいや、ラストまできたら、そんな「評論」なんか、どうでもよくなりますw。


リンカーンとアメリアの関係は相当に安定してきてますね。
それはそれで「嬉しい」んだけど、ちょっと物足りないと思ったところに、娘的存在としての「パム」の登場。
これがスペンサーのようにはいかないところも面白い。
っつうか、アメリアの「母親」ぶりはダメでしょう、ありゃw。


シリーズ物としての楽しみもありつつ(そして「心配」も)、単体としての物語力も決して落ちていない。
相変わらずの「ジェフリー・ディーヴァー」でした。
次が楽しみやわ。