鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「広島」編にやられました:読書録「米、麺、魚の国から」

・米、麺、魚の国から アメリカ人が食べ歩いて見つけた偉大な和食文化と職人たち
著者:マット・グルーディング  訳:羽田詩津子
出版:扶桑社

米、麺、魚の国から   アメリカ人が食べ歩いて見つけた偉大な和食文化と職人たち

米、麺、魚の国から アメリカ人が食べ歩いて見つけた偉大な和食文化と職人たち


アメリカ人ジャーナリストが書いた日本の食べ歩き記。
…なのは間違いないんデスが、焦点がその「食」の後ろにいる職人的シェフにあるのが特徴ですかね。作者自身がプロの料理人としての経歴を持っているというのもあるのも関係しているのかもしれません。
こういうのを読むと、
「食べたいなぁ」
って気分になるもんですが、(確かにそういう面もありますが)「読み物」として優れていると思います。
<2016年最優秀トラベルブック&フィナンシャル・タイムズ2016年ベストブックス>も納得。


取り上げられる地域は、
「東京」「大阪」「京都」「福岡」「広島」「北海道」「能登
このうち「京都」「広島」「北海道」以外は勤務経験があり、「広島」は妻の出身地。
…振り返ればナカナカ良いところで働かせてもらってきたなぁ…と。
そんなに知ってるところが紹介されてるわけじゃなりませんがw。
(「東京」は<大坊珈琲店>、「大阪」は<天平>、「広島」<八昌>、「能登」<幸寿司>くらい。
「福岡」が一番多くて、<長浜ラーメン><一蘭><秀ちゃんラーメン><丸星>。ま、ラーメン屋だからねw)


一番読ませるのは「広島」。
グアテマラからやってきて「お好み屋」(ロペス)を開店する青年の苦労譚…と思いきや、そこから「親から子」「師匠から弟子」、そして「世代から世代」への伝承の<影>が、「お好み焼き」の歴史と「原爆」を低音としながら浮き上がってきます。
思わず強く心を揺さぶられてしまいました。
能登」の物語もナカナカのものですが、一番の読みどころはここじゃ無いかなぁ。


とはいえ、胃袋を刺激させられるもの、事実w。
機会を見て能登の「ふらっと」に行ってみたいなぁ…と思ってるところです。