鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

今更のPDCA:読書録「鬼速PDCA」

・鬼速PDCA
著者:冨田和成
出版:クロスメディア・パブリッシング

鬼速PDCA

鬼速PDCA


野村證券で最年少記録を出し続け、今はZUUを設立し、フィンテックに取り組んでいる作者によるPDCA指南書。
…って、全然知らない人なんですけどw。


決して自分で回せていると思えないPDCAについて、若いメンバーに教えるのに何か参考になる本はないかなと思い、新大阪の駅ナカ書店で目に付いたのを購入しました。
「参考になれば」って気持ちだったんで、別になんでもよかったんですよね。
でも思ってた以上に参考になる本だったなぁ。「PDCAの言語化」っていう意味ではかなり良い本じゃないかと。


PDCA」=PLAN,DO,CHECK,ACTION(ADJUST)
ですから、意味自体はそんなに難しくないし、概念的理解もしやすい。でも実際にやってると意識して、成果につなげているか…っていうと、中々難しいと思うんですよ。正直言って定例会議(月一、四半期、年一くらいの)の資料作成時に意識するのが精々…ってのがフツーじゃないですかね、ぶっちゃけ。
少なくとも僕はそう感じてたことが多かったです、担当者時代は。


でも作者が言うように、これって実に実際的なツールなんですよね。
上手く使えば、これほど効果的なものはないし、「何かを達成する」ってことの基本はここに全てあると言っても良い(ビジネスに限らず)。
…でもなんか上手くできない、ってのがPDCAなんだよなぁw。


本書ではPDCAを階層的に捉えています。
大きな目標を実現するためのPDCA
その実現のための(上位層のDを分解した感じかな)PDCA
さらにその「D」を具体的に行動に落としたところでのPDCA
全てをPDCAと言う形に置かない考え方もあると思うんですが、構図を簡略化する意味でも、こう言う「捉え方」は良いと思います。


その上で、「PDCAの5割は計画で決まるといってもいい」とし、「P」における数量的目標の設定を重視します。
そのためPを因数分解するって考え方もいいし、その数量的目標をPDCAの階層に合わせて「KGI(Key Goal Indicator)」「KPI(Key Performance Indicator)」「KDI(Key Do Indicator)」って設定をしてるのも面白いし、納得感があります。
「DO」を分解したのが「To Do」とか、本書は概念の整理が上手くできてるなぁって印象が全体的にあります。(このToDoの回し方の部分も、中々良くできています)


<最速でゴールに到達するのには検証頻度を上げることは基本中の基本である。>
<結果(KPI)はコントロールできなくても、行動(KDI)はコントロールできる。>
<要因を精神的に求めると、なんとなく「ひと段落した感じ」がして思考が止まってしまうから厄介だ>


こう言うのって「実際にやってる」から言えるってところはあると思います。


まあ、「鬼速」ってネーミングはどうかと思うしw、作者がPDCAを回し続けて、結果として「大成功」するかどうかはなんとも言えませんがね。
でもエッセンスとして「PDCA」の入門書としてはいいんじゃないかなぁ、と。


さて、これをどういう風に伝えますかね。